また、入園者は無料で入浴できる「絶景の湯」があるのも魅力。遊んだ後に、絶景と天然温泉を楽しめる遊園地はなかなかない。

「絶景の湯」。湯船から別府湾の大パノラマ
「絶景の湯」の入り口の自販機では、オリジナルのタオルを販売
タオルの箱にはスタッフの手書きメッセージ。ひとつひとつ内容は異なるとか

ラクテンチよりも先に生まれたケーブルカー

 麓と園内を結ぶケーブルカーもまた、西社長が思い入れを寄せるもののひとつだ。かつてラクテンチのある一帯は金山として稼働していたが、温泉の噴気による危険から閉山。

 その後、山への思いを持ち続けた金山の現場責任者が、交通の不便な山上の乙原地区と麓を結び、さらに山の中腹に子どもたちが楽しめる遊園地をつくろうと考えたのが、ラクテンチの始まりだった。今もケーブルカーはアトラクションではなく、国の認可を受けた公共交通機関として走り続けている。ラクテンチよりも先に生まれ、その歴史を運び続けてきたケーブルカーだからこそ、西社長は「大切にしていきたい」と話す。

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麓と園内をつなぐ最大約30度の急勾配を登るケーブルカー。アトラクションではなく、鉄道事業法に基づいて運行されるれっきとした公共交通機関だ

 思い出のアトラクションも、桜の季節のにぎわいも、園内に残る古い建物もケーブルカーも、ただ保存しているわけではない。古いものをただ残すのではなく、受け継ぎながら新しい価値を生み出す。それが、ラクテンチの“変えない改革”である。

西社長とラクテンチのメインゲート

 結果として年間入園者数は2017(平成29)年の7万人から2025(令和7)年には21万人と、約3倍まで増加。古き良き遊園地の灯をつなぐ、ラクテンチの挑戦はこれからも続いていく。

撮影=今田 壮(風来堂)

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