クレーマー、カスハラ、職場の人間関係の軋轢――その裏には「認知能力の低さ」という見過ごされがちな原因が潜んでいる。理屈が理解できないために相手の正当な指摘を“意地悪”と受け取り、反省どころか逆ギレして被害者を装う人たち。なぜ彼らはこれほど話が通じないのか。背景にある「認知機能の低下」と、周囲を巻き込む理不尽なトラブルの実態に迫る。祥伝社新書の新刊『被害者意識が強すぎる人たち』より一部抜粋してお届けする。

©Yuto.photographer/イメージマート

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認知能力に問題がある

 認知能力に問題があるために見当違いの被害者意識をもつ人もいる。端的に言えば、認知能力が低いために理屈が理解できないのだ。

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 その場合、相手の言うことやものごとの理屈を理解できないために、正当なことを言われてもいちゃもんをつけてきたと思い込んだり、意地悪をしてきたと感じたりする。

 たとえば、2つ買うと2割引きになるというような売り方がよくあるが、会計がそうなっていないので客が、

「2つ買ったから2割引きになるはずですが……」

 と言うと、

「2つ目は2割引きになってます」

 と言い張る。

 店の方針では2つとも2割引きになるはずなのに、その店員は店の方針を店長から説明されても理解できないのだ。それでしょっちゅう客とトラブルになり、店長が間に入って解決するわけだが、本人は店の方針を理解できないため、客がいちゃもんをつけてきたとしか思わず、被害者意識をもつことになる。

 クレーマーやカスハラをめぐるトラブルには、このような認知能力の問題が絡んでいることが意外に多いのではないか。

 客の要求が正当であるにもかかわらず、店員がその理屈を理解できないために、客をクレーマー扱いする。反対に、店員の説明が正しいにもかかわらず、客がその説明を理解できないために、店員の態度が悪いとか店員に話が通じないと客が騒ぎ出す。認知能力が低いことによって、こうしたトラブルがそこらじゅうで起こっている。その場合、双方が被害者意識をもつことになる。