「意地悪を言って自分のやり方にケチをつける」という被害者意識
このような話をしたところ、ある経営者は、自分のところの従業員にも認知能力に問題があり理屈を理解できない者がいて手を焼いているという。
「ついこの前も、お客とトラブルになって......というか、別の店員とトラブルになってしまったんです。600円の品物を購入したお客から、『5000円渡したのに、おつりが小銭しか渡されていない。1000円札と勘違いしたんでしょ』と言われたその店員がレジを開けると5000円札が見えたので、『あっ、すみませんでした』と言って、その5000円札を渡し、それを受け取った客が店を出て行った。そんなことがあったんです。
それを同僚が隣のレジで客対応をしながら見ていたため、『おつりの小銭を渡した上に5000円札を渡したりしたら、そのお客に商品をタダで渡すだけじゃなく、最初に渡した小銭まであげたことになるじゃないか。追いかけて代金をちゃんともらってこないと』って言ったらしいんです。
そうしたら、その間違った店員は、同僚の言う理屈がわからなくて、自分のやり方にケチをつけてきたって思ったらしく、口論になっちゃったんです。事情を聞いて、商品が600円なので、最初に渡したおつりのつもりの400円に加えて5000円を渡して商品も渡してるのだから、600円の商品と5400円を渡したことになる、だから400円を返してもらって、さらに代金の600円をもらってこないといけないと、私がいくら説明してもわかってくれないんです。
きっと私に対しても『意地悪を言って自分のやり方にケチをつける』って感じの被害者意識をもってると思うんです。ほんとに困っちゃってるんですよ」
このように、認知能力が低いと、ものごとの理屈を理解できないため、何かにつけて被害者意識をもつことになりやすい。
別の経営者も、今度の新人には手を焼いているが、それには認知能力の問題が関係しているとわかり、日頃の疑問が解けたという。
「今度の新人は、何か月経っても仕事ができるようにならないんですよ。これまでの新人は、先輩からやり方を教わればすぐにできるようになったし、わからなくなったら自分でマニュアルを読み返しながら仕事をこなしてくれたんです。