――音がした後は、どうしましたか。

伊織殿 後から近くに来た別のメンバーに後方を見ていてもらって、僕は車のほうへ戻りました。そこで、壁際に倒れているやっくんを見つけたんです。その瞬間、「すべてが終わった」と思いました。

 血だらけのやっくんを抱きしめたのは覚えています。悲しくて、ほかにどうすればいいのかわからなかった。自分もけがをしていたはずなのに、そのときは痛みを感じませんでした。

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©佐藤亘/文藝春秋

 そうしているうちに、野次馬が集まってきてしまったので、マネージャーに車から持ってきた毛布をかけました。その後救急車が来て、助かったんだとわかった途端、僕は気を失って倒れたんです。そこから先のことはあまり覚えていません。

「お前が死ねばよかったのに」事故後に届いた心無い声

――後続の乗用車とトラックにはねられ、やっくんとマネージャーさんが亡くなったことが報じられた後、車に同乗していた伊織殿さんには、世間からどのような声が届いたのでしょうか。

伊織殿 ネット上では、やっくんが僕をかばって亡くなった、という話がまるで本当かのように広まってしまったんです。

©佐藤亘/文藝春秋

 その話をもとに「あいつのせいだ」「お前が死ねばよかったのに」と、当時の僕のアメブロにメッセージが届いたり、掲示板に書き込まれたりもしました。

 一度ネットの掲示板でネガティブな情報を見てしまってからは、もう見ないようにしよう、と思いました。