商売上手な人たちは何をするのか?

 興味深いのは、語彙・読解力検定が終わろうというころから、「読解力」をタイトルに含む記事のトレンドが変わることだ。

・子ども4人を全員東京大学に合格させた佐藤ママこと佐藤亮子が「こうすれば子どもの読解力が上がる」と語る記事

・PISAとも従来の国語科の読解とも異なる独自定義の「読解力」を持ち出してRST(リーディングスキルテスト)を売り込む数学者・新井紀子の記事

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・読売新聞を中心としたNIE(「教育に新聞を」)、学校教育で新聞を使うことが読解力向上に役立つと謳う記事になっていく。

 結局のところ「読解力」報道は、ベネッセと朝日の検定ビジネスの盛り上がりが落ち着いていったあとも「読解力向上のためにはこれをやりましょう」と説く教育・検定ビジネスと分かちがたく結びついている。

 商売上手なひとたちは「みんなダメになっている」「学力が下がっている」と煽り立てたあとで「こうすれば読解力が上がる」と検定や教材、コンサルや講演ビジネスなどとセットで売り込んできた。

 本書ではそういうやり口にだまされないよう、警鐘を鳴らしていく。

最初から記事を読む 「“ある時期”から急に増えた」90年代はほとんど問題視していなかったのになぜ…新聞メディアが「若者の読解力不足」を報道するようになった「奇妙なナゾ」