2/2ページ目
この記事を1ページ目から読む
富山市が不正を行った動機は…?
今回はそうした明確な動機は見当たらない。人口は自治体の規模を表す分かりやすい数値で、地方都市は増減に敏感だ。国からの交付金の額も人口などを基準にしており、26年度の富山市への地方交付税は、本来より約6000万円多く交付されていたとみられる。だが富山市の会計規模から考えると金額はそこまで多くなく、「交付金の増額が不正の動機になるとは、正直考えにくい」(市政関係者)。
富山市の場合、今年5月に公表された国勢調査の速報値では人口40万人を超えていたが、9月発表の確定値では、39万9197人だった。それゆえ、いま地元で囁かれているのが、「人口の40万人維持にこだわった結果ではないか」という見方である。
富山市はこれまで、婚活支援や若者向けのイベント開催など、転入が増えるような施策を積極的に打ち出してきた。前出の市政関係者が言う。
「県庁所在地でもあり、なんとしても『人口40万人』という大台を死守したいという空気は、確かに市役所内にありました」
藤井裕久市長は会見で、組織的な指示を否定している。だが、市民からは「幹部からの指示がないとこんな不正はできないのでは」との厳しい声が上がる。
本来は人口という数字ではなく、魅力ある政策など中身で勝負すべきである。「40万人都市」の面子を守ることが背景にあったとすれば情けない限りだ。


