タイに飛んだジュフレイは、そこでオーストラリア人の総合格闘技インストラクター、ロバート・ジュフレイと出会う。彼女はロバートにすべてを打ち明け、2人はすぐさまオーストラリアに飛び、結婚した。3人の子供に恵まれ、数年は平和に暮らせたという。

 しかし、エプスタインが初回の逮捕をされた翌年の2007年、ジュフレイはエプスタインとマクスウェルからの電話を受ける。2人はFBIの捜査が彼女にも及び、自分たちに不利な証言をしていないかと心配したのだった。

 先述したように、2008年、エプスタインは有罪を宣告されて収監されるが、司法取引により刑務所からほぼ自由に出歩ける「労働釈放」という驚くべき厚遇を受ける。これに怒りを覚えたジュフレイは自分がエプスタインとマクスウェルの被害者であると名乗り出る。

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 当初、ジュフレイは匿名でエプスタインを提訴した。だが、翌年に初の女児が生まれると、娘のため、声を上げられないすべての女性のために自分が頑張らなければならないと考え、身元を明かしてメディアの取材に応じ始めた。以後、他の加害者たちへの3件の訴訟もすべて本名でおこなっている。

 エプスタインへの訴訟は和解となり、エプスタインは和解金50万ドルをジュフレイに支払っている。加えて、2015年、「エプスタインによる性的人身売買」というジュフレイの主張を、「明らかな嘘だ」とマクスウェルが発言したことに対し、ジュフレイはマクスウェルを名誉毀損で訴えた。これも示談となり、マクスウェルは金額非公開の和解金をジュフレイに支払っている。

エプスタインの突然の死。その時、彼女は……

 ジュフレイによるアンドリュー王子(当時)への訴訟は2022年2月に和解した。本人も英国王室もジュフレイへの性加害を認めなかったものの、和解金と、ジュフレイが主宰する性的人身売買などの被害者支援団体への寄付金、合わせて推定約1200万ポンド(約1630万ドル)が支払われたとされている。

 アンドリューの資産で支払える金額ではなく、アンドリューの母親であるエリザベス女王が一部を支払った。女王はその7カ月後の2022年9月に逝去、王位を継いだチャールズ3世(アンドリューの兄)は、のちにアンドリューから王子の称号を剥奪した。

 2019年8月、エプスタインが死亡したことはジュフレイにとって大きなショックだった。ジュフレイは9月20日放送のNBCの報道番組『Dateline』に出演し、こう語っている。

「私は彼を悼んだのではありません。あの男に責任を取らせることが出来なくなったことを嘆いていたのです」

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