臓器移植で超能力を得た男女5人――時速100kmで街を駆け、ひと吹きで敵をなぎ倒し、指先ひとつであらゆる電子機器を操る。年齢も職業も性格もまるで違い、顔を合わせれば言い争うヒーローたち。ポップで痛快な韓国エンターテインメント『ハイファイブ!』の公開を前に、監督インタビューを交えてレビュー。

若返った教祖と女子中学生の超能力バトル 映画『ハイファイブ!』

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 韓国映画『ハイファイブ!』は、ひょんなことから超能力を得た男女5人のヒーローと、その超能力をすべて我が物にしようとする巨悪との対決を描いたアクションコメディだ。ヒーロー5人もそれぞれ個性あふれるくせ者ぞろいだが、ひときわ目を引くのは、悪の権化と化すパク・ジニョンだ。5人の臓器を自分に移植し、超能力を独り占めしようとする欲深い新興宗教の教祖ヨンチュンを演じた。ボーイズグループGOT7のメンバーとしても人気だが、近年は俳優としてめきめき頭角を現している。

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臓器移植によって超能力を得た普通の人たち

『サニー 永遠の仲間たち』(2011)、『スウィング・キッズ』(2018)で知られるヒットメーカー、カン・ヒョンチョル監督が新たに手がけた『ハイファイブ!』は、一風変わったヒーローもの。平凡な庶民が臓器移植によって超能力を得るという奇想天外なアイディアだが、カン監督は至極真面目な顔で「地に足の着いたファンタジーを目指した」と語る。

臓器移植で超能力を得た普通の人々 映画『ハイファイブ!』

 非現実的な超能力に説得力を持たせるには、むしろ日常的な背景が重要だと考えるからだ。「どんなジャンルであれ、私たちの日常とかけ離れた話は共感しづらい。かっこいいヒーローでなく、どこにでもいそうな普通の人をヒーローにした」と言う。その筆頭はラ・ミランが演じるヤクルト販売員のキム・ソンニョだろう。韓国でよく見かける電動カートで移動する販売員だ。ソンニョは腎臓移植を受けたが、何の超能力が得られたのかは本人も観客もなかなか分からない。どこからどう見ても普通の中年女性だ。