今回に関しては、実は最近死刑になったんですよと言ってお茶を濁した。取材する理由は、ただ単に自分自身が取り上げる犯罪者に興味が有るか無いかということに尽きる。
3人を殺した男
老人たちがゲートボールに興じている公園の隣に山地が暮らし、姉妹を殺害するに至るマンションがあった。公園の一角では若い男がひとりベンチに腰掛け、日向ぼっこをしていた。
山地は中学卒業後、新聞配達をしながら、母親と山口市内のアパートで暮らしていた。当時交際していた女性への母親の無言電話に怒った山地は母親を金属バットで殴り殺害した。未成年ということで、数年の少年院生活で再び娑婆へと戻ってきた。誰しも短気を起こすことはあり、心の中で殺意に近いものを覚えた経験はあるだろう。
今まで直接的には人を殺めることなく生きてきた私と山地との境界線は果たしてどこにあるのだろうか。そもそもそんなものは無く、生きてきた過程のほんのちょっとしたきっかけに過ぎないのだろうかと、マンションを眺めながらふと思った。
少年院を出た山地は、下関市内で新聞配達をしたあと、知人の紹介でゴト師グループに加わり、福岡を拠点としながら、大阪へと流れてきたのだった。このマンションのある界隈は、大阪の繁華街ミナミにも近く、家賃が他の地域に比べ安いことから、繁華街のパチンコ屋を荒らしまわるゴト師グループにはうってつけの場所だった。もちろんゴト師グループだけでなく、ミナミで働く、女性たちも暮らしていた。それが被害にあった姉妹だった。
