今年9月、2028年のロサンゼルス五輪への出場権を獲得した男子バレー日本代表。チームを率いる主将・石川祐希氏の素顔を、高校時代の恩師である竹内裕幸氏(星城高)と盟友・小野寺太志氏が語る(文中敬称略)。

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折れても戻ってくる

 日本の男子バレーが強い。

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 そんな声を特に多く聞くようになったのは、23年頃からだ。6月〜7月のネーションズリーグで初の銅メダルを獲得し、秋の五輪予選では、2戦目でエジプトに大逆転負けを喫して崖っぷちに追い込まれたものの、劇的な勝利を重ねてパリ五輪を決めた。ただ勝つだけでなく、勝ち方が印象的だったのも世間からの関心を増やした一因だ。

男子バレー日本代表の石川祐希主将 ©文藝春秋

 そうなれば当然、選手に「なぜ強くなったか」を尋ねる取材も増える。その都度「なんて言うんだろう」や「うーん、なんですかね」と微笑しながら、石川は「自分が何かをしたわけではなく、チームの一人ひとりが自立したことが大きい」と答えてきた。確かに、海外でプレーする選手も増え、石川自身も日本代表で21年から主将を務め、所属クラブでも責任を負う立場から出た言葉でもあるだろう。

石川祐希の盟友・小野寺太志(写真中央) ©文藝春秋

 だが、それだけではなく、小野寺が言う「チームに大きな影響力を及ぼす」姿とは異なる姿も浮かび上がる。実はこれこそが石川が日本バレーを変えたもう一つの要因かもしれない、と竹内は冗談交じりに語る。

「いい意味で緩いから、頼るばかりじゃなく周りが『助けなきゃ』と思わされるんです。たとえば今の日本代表を見ていても、(アジア選手権決勝の)イラン戦で、石川のスパイクが決まらなかった。レシーブやサーブ、他のプレーを見ているとさほど悪くないのに、石川はすぐ顔に出す。そういう顔が本当によくないんですけど(笑)、でもその状態、たとえ折れていても必ず戻ってくるとみんなに思わせる信頼があるんです」

 今とはレベルが違うけれど、と前置きしながら、竹内が回想したのは石川が高校2年時の国体だった。