起業するかどうかを決める前に、小さく提供し、反応を確かめる。独立は、その先でも遅くありません。
「裏OL」と呼ぶ秘密の働き方
副業で時間を売る。転職で勤務先を替える。起業して一世一代の賭けに出る。どの選択にも成功例はありますが、今の暮らしを守りながら可能性を試したい人には、別の選択肢があってもいい。私が「裏OL」と呼んでいるのは、会社員の安定収入と信用を残したまま、会社の外で自分名義の信用、実績、つながりを育てる働き方です。
大切なのは、最初から「いくら稼ぐか」を目標にしないこと。興味のあるテーマで小さな集まりを開く。得意なことをSNSで発信する。知人の活動を手伝う。誰かの相談に乗る。まずは無理なく続けられる形で試し、「またお願いしたい」「次も参加したい」という反応を集めます。その反応が、会社の外で通用する自分の価値を教えてくれます。
「裏OL」という働き方は、一般的に副業と呼ばれる働き方と重なる部分もあります。違うのは、目先の収入だけで仕事を決めないことです。活動を止めたら何も残らない時間給ではなく、「この人に頼みたい」と思われる信用、自分の名前で説明できる実績、相談できる仲間を少しずつ積み上げる。収入は、その土台から生まれる結果の一つです。
会社を辞めないから、今月の売り上げに焦らず、試して、直して、また試せる。40代に必要なのは、人生を賭ける勇気よりも、失敗しても暮らしが壊れない環境なのです。
会社員の「当たり前」は稼ぎになる
知り合いの会社員の女性が、「一度はやってみたいこと」をかなえる小さな会を始めました。スイカを丸ごと食べる、1日で電車を全線制覇する、喫茶店の新メニューに挑戦する。お金を稼ぐことが目的ではなく、企画し、人に声をかけ、一緒に楽しむ活動です。
彼女が使ったのは、日程を調整する、準備を整える、参加者の様子を見ながら進行するといった、会社で身につけた力でした。やがてその活動が女性誌を発行するメディア企業グループの目に留まり、地元を巡る小旅行の企画、集客、当日の運営を任されます。評価されたのは、人を集める力、最後までやり切る力、相手の意図をくみ取る力でした。