法政大学グローバル教養学部を卒業し、三井住友銀行に入社した佐野麗奈さん(23)。働き続ければ年収1000万円超の安定した生活を約束されていたが、昨年12月末、入社わずか9カ月で銀行を退職した。その後、芸能活動に専念することをSNSで報告すると、190万回以上のインプレッションとなり、大きな反響を呼んだ。

 なぜ彼女は、安定した仕事と収入を手放そうと思ったのか。賛否両論を呼んだ退職報告に対して、何を思うのか――。モデル・インフルエンサーとして生きる道を選んだ彼女の本音を聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)

佐野麗奈さん ©松本輝一/文藝春秋

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銀行員としての日々

――新卒で三井住友銀行に入社してからは、どんな日々を送っていたのですか。

佐野麗奈さん(以下、佐野) 入社までの間に、英語プログラムという研修があって。毎月TOEICを受けたり、毎日英語の動画を見て単語をこなしたりしていたら、大学3年生時点で765点だったTOEICのスコアが、965点まで上がりました。同期もみんな100点以上アップしていたので、研修プログラムの力は大きかったですね。

――入社してからギャップを感じることは?

佐野 内定後のリクルーター面談に、花柄のワンピースで行ってしまったことがあったんです。モデルの世界では、どれだけ華やかに自分を見せるかが大事だから、その経験から「自分が一番いい」と思うコーデを選んだんです。でも会場に入ったら、周りは全員スーツでした。

 入社前の時点で「芸能界の常識」と「社会の常識」は全然違うんだ、と実感した出来事でしたね。

 あと、5分前行動ではなく15分前行動が基本であること、上司へのメッセージに絵文字はつけないことも、入社してから学んだマナーやルールですね。モデルのお仕事ではDMでやり取りすることが多かったので、「そうなんだ!?」と驚くことも多かったです。

 

――佐野さんが配属されたのは、どんな部署だったのですか。

佐野 法人営業の部署に配属されました。毎日のように上司と一緒に営業に出たり、決算のモニタリングをしたりして、学ぶことばかりの日々でしたね。

 ただ、銀行はとにかく朝が早くて。早朝の営業や会議があるから、7時頃には会社にいないといけない日々が続いていました。その生活リズムにどうしても慣れず、入社して2カ月経った頃から、「おかしいな」と思うことが増えていったんです。