本気でやるために“何か”を手放す覚悟を決めた
――退職を視野に入れ始めたのですね。
佐野 ただ、最初は独立しようとまでは考えていませんでした。SNSの活動と両立できる会社で働こうと考えて、転職活動をしたんです。その結果、内定をいただいた会社もあります。ただ、転職しても結局、同じことの繰り返しになるんじゃないか、と思って。
――同じことの繰り返し?
佐野 大学に行きながらミスコンの活動をやって、銀行で働きながらSNSをやって。私はずっと、何事も「片手間」でしかやっていないんですよね。だからどれも中途半端で、「成功」と言えるほどの結果が出なかった。
だから、何かを本気でやるには、覚悟を決めて何かを手放さないといけないと思ったんです。その決断をするのが、今なんじゃないかって。
――そこから、モデル一本で活動する決断に至ったのですね。
佐野 ただ、覚悟を決めるのはものすごい勇気が必要で……。そんな私の背中を押してくれたのは、毎月のように話し合いを重ねてきた、人事部の方でした。
――どんな言葉をかけられたのでしょうか。
佐野 「佐野さんが本当にやりたいことは、もう答えが出ているんじゃないかな」「人事部としては、引き止めるのが正解なのかもしれない。でも、一人の人として、佐野さんのやりたいことを応援したい」って言ってくれたんです。
会社には迷惑ばかりかけましたし、「分かってくれない」ってモヤモヤしたこともありました。でも今振り返ると、就活の時からずっと私自身と向き合ってくれていたなって。話し合いの日々は正直しんどかったけど、あの時間があったからこそ、自分が本当にやりたいことと向き合えたんだと思います。
――退職を決めてから、周囲にはどのように伝えましたか。
佐野 母や友達には、決めた後に報告しました。母は、最初は不安そうな顔をしていたけど、「本当にやりたいことなら頑張ってね。不安なことがあったらいつでも相談して」と言ってくれましたね。
――安定した収入を手放すことに、迷いはありませんでしたか?
佐野 不安はありましたが、迷いはなかったですね。三井住友銀行は、30歳で年収1000万円以上になるとも言われていて。でもその分、仕事は大変ですし、学ぶことも多いんです。
30代はもちろん、40~50代になっても、上司や先輩は休日返上で資格試験の勉強をしていました。そういう姿を見て、本当に好きじゃないと続けられない仕事だな、とも感じていたんです。
SNSで銀行退職とモデル復帰を公表
――モデルとしての再スタートをするために、昨年12月末に銀行を退職されたのですよね。
佐野 退職と同時に引っ越しをして、家賃は10万円上がりました。
――収入がなくなるタイミングで、家賃を上げたのですか。
佐野 おかしいですよね(笑)。でも、フリーのモデルにとって自宅が事務所のようなものなので、撮影スペースや配信環境は整えたかった。それに、固定費を上げれば嫌でも稼がなきゃいけなくなる。覚悟を決めるためにも、自分を追い込みたかったんです。

