未経験者を採用、育成する傾向にシフトする建設派遣
リクルートが公表した24年度の転職市場に関する報告書によると、施工管理者の求人数は7年前の約6倍に達した。未経験者向けの求人の方が伸びていて、約11倍だ。経験者だけで現場を支えるのが難しくなり、未経験者を育てる動きが広がっている。
オープンアップコンストラクションの親会社であるオープンアップグループは、建設技術者の不足を追い風に、近年事業を拡大してきた。旧夢真が建設技術者の派遣を始めたのが1991年。もともとは主に経験者を派遣していた。
未経験者の派遣に軸足を移したのは、東日本大震災の復興工事などで建設業の人手不足が強まった2013年ごろだ。経験者だけでは現場の需要に応えきれなくなった。
25年春の取材時点で、同グループの建設系の派遣人材の約8割を未経験者が占めていた。
人材の供給力を高める方法としてM&A(合併・買収)も活用する。24年には同業のアイアール(名古屋市)を傘下に収め、建設技術者は約9000人に達した。
人生の再チャレンジに挑みたい人が頑張れるのが建設派遣の魅力
戸井口氏のように未経験者を研修で育て、現場へ送り出すモデルが成長を支える。未経験の建設派遣技術者の中には、飲食業やサービス業からの転職に加え、無職だった人もいる。
25年春の取材当時、オープンアップグループ執行役員だった吉井栄伸氏は「人生の再チャレンジに挑みたい人が、新しい業界で心機一転、頑張れるのが建設派遣という仕事の良さだ」と話した。派遣先への転職は会社にとって戦力ダウンにつながるが、本人の希望やキャリアアップをかなえるため、できるだけ要望に応える。
戸井口氏には所長を目指したい気持ちがあるものの、派遣社員のままでは難しい。将来のステップアップのために転職も視野に入れる。「目の前にある現場で経験を積んでいけば、企業から『来てほしい』と言われるぐらいの技術力を付けられる」と考えている。自らの力で次の道を切り開いていく。
