抜いた血が溜まっている袋を首から下げたまま
手が上がらないから高いところに置いてあるものは取れないし、寝返りも打てません。もちろん重いものも持てないし、起き上がるときはギーーーって踏ん張りながら痛みを堪えてゆっくり体を起こします。入れた胸より、切った脇の傷が引き攣れて、チョー痛い! 傷口のすぐ横に血を抜くためのドレーンが入ったままなのも辛かったです。
「あああ、引き抜きてぇ!」
もちろん引き抜いたりはしませんでしたが、首から提げられた巾着袋の中のタンクに、抜いた血が溜まっているんですよ。傷口の消毒をしに病院に行くとき、もし今職務質問されて身体検査されたら絶対に大騒ぎになると思いました。
2日後、ドレーンが抜かれて1週間後に抜糸でした。手術の翌日が痛みのピークで、1週間もすると腕も上げられるようになりました。
筋肉の下を切られたから大変な内出血を覚悟していたけど、胸はちょっと腫れただけですごく綺麗なままでいられました。
こうして無事にダウンタイムを乗り越え、私は今も張りのある美しい胸を保っています。好きな水着を選んで家族でバカンスに行くのが仕事を頑張った自分へのご褒美です。
「ママ、この傷どうしたの?」「おっぱい大きくする手術したんだよ」
プールで遊んでいたときに、脇にうっすらと残った傷痕を指して息子が聞いてきました。
「ママ、この傷どうしたの?」
「あれ? 言わなかったっけ? ママ前におっぱい大きくする手術したんだよ」
「へええ……。なんで大きくしたの?」
「ママは不二子ちゃんみたいな大きくてカッコいいおっぱいが好きだから。◯◯は小さいのと大きいのどっちが好き? 将来一緒に歩くのどっちがいい?」
「うーん、大きいのかな。ねえ、どうして手術したの?」
「自己満足だよ。誰かのためじゃなくて、自分が喜ぶためにしたの。ママはね、綺麗でいたいんだ。自分を好きでいたいんだよ」
「手術って痛くない?」
私は浮き輪につかまった息子の顔に水をかけながら笑いました。
「ちょっとだけ! 全然平気。もし明日目が覚めたとき胸が小さくなってたら、同じ手術をまたやるね」
息子も小さな手をばたつかせてやり返してきながら笑っていました。旦那はプールサイドの木陰で居眠りをしています。
整形はちっともやましいことではないと息子はわかってくれたと思います。彼は思いやりのある、優しい子に育ちました。
顔はもう大満足です。これからもしやるとしたら施術から10年がたつので歯のメンテナンスか、加齢が気になり始めたらリフト等だけですね。
歳をとることに不安ですか?
ありません。逆に、50歳、60歳なのにこんなに綺麗でいられるんだって証明してみたいです。楽しみですね。
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