緊急一時帰国と指の再建手術

 緊急治療室を訪れた翌日、ジョニーは、指の治療を専門とする外科医の診察を受けた。そこでも「アコーディオンドアに指を挟んだ」と、前回と違った言い訳をしたが、患部の状態を見た医師はジョニーの言葉を信じなかった(豪邸にアコーディオンドアがあるのは事実だが、事故を防ぐための装置が備えられている)。

 その間にも、ロサンゼルスで手と指の再建手術を得意とする医師の予約を取りつけることができたので、ジョニーは急遽、一時帰国することになった。

 主演俳優の離脱により、撮影中だった「パイレーツ・オブ・カリビアン」のロケは、中断を余儀なくされた。当時の報道では、ジョニーが怪我の治療で帰国するための一時的撮影中止としか述べられず、怪我の程度や何が原因で引き起こされたものかは、誰も知らなかった。

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 再建手術は、ジョニーの手の皮膚を採取して切断された指の欠損部分に移植するという複雑なものだ。

アンバー・ハードとの法廷で右手を掲げるジョニー・デップ ©AFP=時事

映画に出てくるジョニーの右手は…

 術後は患部を固定するためにピンで留めた上、ギプスの副子がはめられ、上から大きな包帯が巻かれた。親指と人差し指は動かせるが、残る3本の指は固定され、ほとんど動かせない。

 手もなるべく下ろさないように高い位置で保たなければならず、日常のあらゆる動作に不自由を強いられた。痛みも常にひどかった。看護師のデビーからは「『10』が最高だとして、今、痛みはどれくらいですか?」とよく聞かれたが、10どころでは済まないレベルだった。

 そんな状況でも、同じ過ちを繰り返さぬよう、オピオイド系の鎮痛薬の服用は断じて避けた。ようやく包帯が外されたのは、その年の夏。「パイレーツ・オブ・カリビアン」の撮影は包帯をしたままで続けた。映画に出てくるジョニーの手の多くは、ポストプロダクション作業でCG処理を施したものなのである。

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