ジョニー・デップが、11月13日に世界同時公開される「クリスマス・キャロル 3人のゴーストたち」で約8年ぶりにハリウッドの大手スタジオ作品に復帰する。

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを始めトップスターとして活躍していた彼が長い雌伏の時を余儀なくされた大きな原因が、彼をDV加害者として告発した元妻、アンバー・ハードとの泥沼の法廷闘争だった。しかし、裁判が進むにつれジョニー側こそがDV被害を受けていたことが明らかになっていく。

 猿渡由紀著「ジョニー・デップの戦い」より、そのあまりに凄惨な元妻からの暴力について、一部を抜粋して転載する。

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11月13日に世界同時公開される「クリスマス・キャロル 3人のゴーストたち」でのジョニー・デップ(映画公式HPより)

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 翌3月、アンバーはオーストラリアにやって来た。数週間ぶりに会う新妻は、到着したその瞬間から機嫌が悪かった。ジョニーがオーストラリアへと発った後、彼の弁護士が「ポストナップ」の話を持ちかけたせいだ。

 結婚前、ジョニーは「プレナップ」と呼ばれる婚前契約を結ぼうとしていた。しかし、アンバーがそれを避けるように結婚式に持ち込んだせいで、契約は実現しなかった。

 そこで今度は、基本的に同じ内容の契約を結婚した後に結ぶ「ポストナップ」への署名を求めることにしたのだ。契約にあたってはアンバーにも弁護士が必要とされ、その弁護士もジョニーのチームが手配した。

 弁護士から渡された書類を見たアンバーは、

「ジョニーがこんなことを言うはずがない。あなたたちが勝手にこんな要求を私に吹っかけているなんて、彼は知らないはずよ」

 と強く抗議した。すると、その女性弁護士は、

「いいえ、彼は全部知っていますよ」

 と笑みを浮かべて答えたのだ。侮辱されたと感じたアンバーは、怒りを抱えたまま、オーストラリアに降り立ったのである。

「もし離婚になった場合、私は何ももらえない!」

 ジョニーの顔を見るなり、アンバーは取り憑かれたかのような形相で怒鳴りつけてきた。

「もし離婚になった場合、私は何ももらえない!」

 それは誤解であるとなだめようとしても、聞く耳を持たない。

「弁護士の言いなりになりやがって!」

「私のために戦わない腰抜け」

 などと叫ぶ中では、こうも言った。