日本大学医学部附属板橋病院を巡る事件で逮捕・起訴され、背任罪に問われている医療法人「錦秀会」(大阪市)の元理事長、籔本雅巳被告(66)が、ノンフィクションライター・西﨑伸彦氏の取材に応じ、「検察が描いたシナリオを含めて理不尽なことが多過ぎます」などと語った。安倍晋三元首相の親友としても知られた籔本氏が事件後、メディアの取材に応じるのは初めてのことだ。
安倍氏からは「籔ちゃん」と親しみを持って呼ばれていた
籔本氏は1960年生まれ。1995年に錦秀会の理事長に就任し、関西を拠点に総病床数約6000床を擁する一大グループを築き上げた。
一方で、政界やスポーツ界などに幅広い人脈を持ち、わけても首相だった安倍氏との交友関係で知られている。新聞の首相動静欄にはゴルフや会食をした相手として頻繁に登場。安倍氏からは「籔ちゃん」と親しみを持って呼ばれていたという。
ところが、籔本氏の人生はその後、暗転する。2021年10月、日大医学部附属板橋病院の建て替え工事を巡り、背任容疑で逮捕されたのだ。その後、起訴され、立件額は総額約4億2000万円に上る。捜査の“本丸”と目された日大の田中英壽元理事長が2024年1月に死去する中、籔本氏は背任事件で無罪を主張。長きにわたる公判前整理手続きを経て、昨年3月にようやく初公判を迎えた。
「私にも言いたいことはある」
西﨑氏は、その籔本氏に計10時間以上に及ぶインタビューを重ねてきた。
「書いたもん勝ちやと諦めてたんです。貸したカネは忘れろ、騙すより、騙された方がええやんと思って生きてきたんです。でも、検察が描いたシナリオを含めて理不尽なことが多過ぎます。私にも言いたいことはある」(籔本氏)
果たして、籔本氏は背任事件の公判にどのように臨んでいるのか。安倍氏をはじめとする華やかな交友関係はいかなるものだったのか。
「週刊文春」では10月22日(木)発売号から(「週刊文春 電子版」でも同日より配信)、西﨑氏の巨弾新連載「ナニワの政商 日大事件で逮捕された“安倍晋三の親友”籔本雅巳の告白」がスタート。『バブル兄弟“五輪を喰った兄”高橋治之と“長銀を潰した弟”高橋治則』(文藝春秋)で2025年の大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した西﨑氏が、籔本氏の告白や関係者への徹底取材を基に、政界の裏側や日大事件の内実などを描き出す予定だ。



