「私にとってメンターだった」

 房枝さんは、仕事ができるだけでなく、子育てもこなれていて、余裕をもってやっているように見えました。離乳食のステップアップや、乳離れをさせるこつなど、たくさんのことを教えてもらいました。

 子どもへの声がけも上手で、なんというか、距離感がうまいのです。「おいおい、お坊ちゃん、今日は食べないのかい?」まるでお笑い芸人のように子どもに話しかける様子は、見ていてもすごく楽しかった。

 一方、私は初めての子育てで精いっぱいです。娘がご飯を食べなかったり、癇癪を起こしたりすることにいちいち苛立ち、落ち込んでいましたが、房枝さんの口調を真似て娘に接すると、少し楽になる気がしました。あのころ、私にとって、房枝さんはメンターだったと思います。

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