12歳上のママ友・房枝さん(52)を「子育てと人生のメンター」として深く信頼していた亜季子さん(40)。幼い娘を抱っこしてくれた優しさ、仕事と子育ても軽やかにこなす憧れの姿に助けられ、2家族で家族ぐるみ・姉妹のような濃密な交際を続けていた。

 しかし、夫婦で「自分たちのパンを出したい」と一歩を踏み出し始めた頃から、温かかったはずの関係に少しずつ不穏な影が差し始める――。

 フリーライターの山野井春絵さんの新書『友達になって後悔してる』(新潮社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目)

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憧れのママ友に抱いた「違和感」とは――。写真はイメージ ©getty

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憧れのママ友だった

 房枝さんは、近くの保育園に空きが出るとすぐに子どもを預けて、バリバリ仕事をするようになりました。ギャラリーでは各地から陶器やガラスの作家を呼んで、個展やパーティーをたびたび企画していました。狭いアパートで子育てだけをしている私からは、とてもキラキラして見え、別の世界の人なのかな……と寂しい思いをしたこともあります。

 そんな私の気持ちを察してか、房枝さんはよく私を誘ってくれて、ママ向けのイベントを開催するときなど、受付のお手伝いをさせてくれることもありました。そんなときは、「アキちゃんも、どんどんおしゃれしなきゃ」と、ブランド物の洋服やアクセサリーを貸してくれたのです。

 私は房枝さんのスタイルに憧れていたので、とても嬉しく、それらを身につけることで誇らしい気持ちになったものでした。会えないときもしょっちゅうLINEをくれて、簡単にできる晩ご飯のレシピや、子育てのお役立ち動画を送ってくれたりもしました。