12歳上のママ友・房枝さん(52)を「メンター」として深く信頼し、10年近く家族ぐるみの親密な付き合いを続けてきた亜季子さん(40)。しかし、夫とともに独立して念願のベーカリー開店へと歩みを進める中で、アドバイスという名の「支配」や理不尽なダメ出し、そして一方的な非難に苦しめられるようになる。

 すれ違いが決定的なものとなり、いよいよお店のオープンを控えたある日、房枝さんから届いたのは、耳を疑うような衝撃のLINEだった――。

 フリーライターの山野井春絵さんの新書『友達になって後悔してる』(新潮社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目)

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絶縁を決めた「1通のLINE」とは――。写真はイメージ ©getty

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新規開店ベーカリーの試食会事件

 実家のアトリエとは別の場所に店舗を構え、本格的にベーカリー経営をスタートする前に、「パンのラインナップを決めるために本格的な試食会がしたい」と夫が言い出しました。予定しているパンの種類を時間差で用意し、リハーサルのような形で、できるだけ多くの人に無料で食べてもらおうと計画を練りました。

 最初の店舗は、娘たちが通っていた幼稚園のすぐ近くにオープンさせることになったので、試食会は園が子どもたちを少し長く預かってくれる水曜日に設定。房枝さんをはじめ、幼稚園のママ友たちにもLINEを回して誘いました。

 ところが房枝さんは、その月の水曜日はどの日も都合が悪いから、日程を変えてくれないか、と言ってきたのです。すでにたくさんのママ友たちから参加の連絡が来ていましたし、そもそもエリア的にターゲットはそこにあったので……ということは言いませんでしたが、日程を変えることは難しい、とだけ伝えると、長いLINEが届いたのです。

「私に日程の相談もしてもらえなかったことが残念」とか、「一緒にいろいろ考えてきた仲間だと思っていたのに」とか、「良かれと思って言うけど○○君(夫のことです)のパンにはまだまだ心配がある」とか、そういう調子です。文面から怒りがありありと伝わってきました。

 もう削除してしまったので、細かいところは忘れてしまいましたが、私はそのLINEを読んで、はじめはずいぶん落ち込みました。しかしだんだん、腹が立ってきたのです。