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「復縁を求める手紙」は逆効果
ベーカリーがオープンして半年ほど経ったころ、突然、房枝さんからとても大きなお花が届きました。そこには、数枚にわたる手紙も添えられていました。その内容は、私たちとの関係を取り戻したいという懇願でした。
自分は更年期かもしれない、少しおかしくなっていた、許してほしい、パン屋さんのオープンには手伝いに行くことを夢見ていた、私にできることはなんでもさせてほしい……などと書き連ねてありました。
でもその手紙は私と夫の心を動かすことはありませんでした。むしろますます頑なに、「関わらないほうがいい」と拒絶の気持ちを強固にしたのです。
なぜ10年近くも仲良くした、一時は姉のように慕い、信奉すらしていた相手に、こんな気持ちになってしまうのか。それはやはり、房枝さんの支配欲に触れてしまったからだと思います。
憧れて、好きだったからこそ、房枝さんへの失望感も大きかった。はっきりいって、大嫌いになりました。すっかり「カエル化」した房枝さんに対して、もう憧れの気持ちが戻ることはなかったのです。