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テレビアニメで少年役を女性が演じることが定着していくなかでも、東映動画は主人公が少年の場合、子役を起用し続けていた。その理由の一つには、親会社の東映が子役の養成とマネジメントを行う東映児童演劇研修所を擁していたことがあるという(前掲、『アニメと声優のメディア史』)。しかし、テレビアニメは放送が長期化するうち、子役が声変わりや南谷少年のように受験を迎え、少年役を演じ続ける上ではネックとなった。
東映動画ではまた、まず初めに声を録っておいて、それに合わせて映像をつくっていく「プレスコ」という手法が原則的にとられていた。だが、テレビアニメでそれをやっていると毎週の放送に間に合わないので、ほかのプロダクションと同様、できあがった映像に声を当てる「アフレコ」へと移行せざるをえなかった。アフレコでは、声優の演技が細かなレベルで映像と同期することが求められる。それは子役には難しい作業だ。
『ゲゲゲの鬼太郎』『銀河鉄道999』『ドラゴンボール』で主演を務める
こうしたテレビアニメ特有のさまざまな事情から、東映動画でも主人公に子役が起用されることは徐々になくなっていく。それと入れ替わるように、野沢はその後東映動画が制作した『ゲゲゲの鬼太郎』『銀河鉄道999』『ドラゴンボール』でそれぞれ主人公の少年役を演じ、当たり役となった。このことはけっして偶然ではなく、テレビアニメが次々とつくられるなか、それに順応して作品ごとに演じ分ける能力を彼女が持っていたからだろう。(つづく)