何年もかかった母との決別
――服を選ぶような日常的なことでも、お母さんに聞かないと決められなかった。
千歳 はい。だから母との関係を切ろうと思っても、なかなか切れなかったんだと思います。私も20歳で家を出たときに関係を切ることができず、何年もかかってしまいました。
――今は、お母さんの許可がなくても物事を決められるようになったのでしょうか。
千歳 まだ自分の中ではあやふやです。今も自分が傷ついたのか傷ついてないか判断できないことがあるぐらいで。以前は「これは母に聞かないと決められない」と思うこともあったんです。でも、そういう感覚がだんだんなくなってきたとは思います。
「親不孝者じゃないかな」憎みきれない母への複雑な想い
――そうなると、以前の親子関係に戻りたいとは思わない?
千歳 一切思いません。でも「本当にこれでよかったのかな」とずっと思っているんです。
――迷いが残るんですね。
千歳 親には感謝するべきだと言われるじゃないですか。育ててもらったこともありますし、母を完全に悪者にできないんです。世間には「毒親」という言葉があるけど、私は母をそう思ったことは一度もないんですよ。
――それだけの経験をしても、お母さんを憎みきれない。
千歳 はい。もっと上手にやる方法はなかったのかなと思うんです。例えば「私がもっと家事を頑張っていれば違ったのかな」とか。母も一人で私たち兄妹を育てていたので、いろいろ大変だったのかもしれないと思うこともあります。
分籍したことも「親不孝者じゃないかな」と今でも考えます。もう以前の関係には戻りたくないですし、母の許可をもらわないと何も決められない生活には戻りたくありません。でも、これで本当によかったのかなという気持ちは残っています。
でも、子どもの頃からずっと自由を求めていたので、今が一番自由で幸せだと思います。
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