ジゼルの音楽の“守備範囲”は非常に広い。影響を受けた存在としてアリアナ・グランデとともにスティーヴィー・ワンダーやBlink 182、共演してみたいアーティストとしてグラミー賞を複数回受賞したアメリカ出身シンガー、SZAの名前を挙げている。レゲエにハマっていた時期もあるそうだ。
音楽ファンを驚かせた“コアなセレクト”
そして2026年8月、イギリス発のインターネットラジオ「NTS Radio」で彼女が曲をセレクトした際、ジャンルも年代も横断するコアな選曲を披露して音楽ファンを驚かせた。
Sadeの「No Ordinary Love」から始まり、Pixies「Where Is My Mind?」、Smashing Pumpkins「Luna」、そしてファンを公言しているBlink 182の「Boxing Day」、さらにNujabes「Reflection Eternal」やTV Girl「Loving Machine」、MGMT「Kids」まで。ジゼルが幅広い音楽からインスピレーションを得ていること、深く音楽を愛し、探求し続ける生粋のミュージック・ラバーであることが明らかとなった。
1冊の本になるほど歌詞を書いたことも…作詞・作曲家としての一面
さらに、ジゼルはディープな音楽リスナーとしての知識と感覚を生かして、“作曲家・クリエイター”としての道を歩み始めている。
ソロ曲では、最初のツアーで披露した「2HOT4U」(2023年)からクレジットに名前が載るようになった。クリエイターとしての転機は2024年10月に発表した「Dopamine」だろう。のちのインタビューで「(Dopamineでは)解放感をたくさん感じました。私がやりたいと先に事務所に伝えていた曲で、その意見が受け入れられたので」と振り返っている。「R&Bベースの曲でありながら、ダンスブレイク部分にEDMを混ぜればコンサートのステージにも似合うはず」という、アイデアの出どころもジゼルだった。以降、ソロ曲には必ず作詞・作曲として関わっている。
デビュー5周年の2025年11月に配信されたソロ曲「Tornado」は、本人が作詞・作曲に参加したトロピカルなダンストラックだ。2026年8月、4回目のワールドツアー『SYNK : COMPLæXITY』のソウル公演では、作詞・作曲に名を連ねた「BYEB4HELLO」を披露した。叶わないと分かっていても相手を想い続けてしまう恋心を描いた曲だ。さらに、ニンニンとのユニット曲「Lollipop」でも、ふたりが作詞・作曲にクレジットされている。
ジゼルの作曲スタイルは独特だ。思いついたときに歌詞をメモ帳に書きためていたら、1冊の本ぐらいの膨大な量になってしまったこともあるという。そして「メロディを作りながら歌詞を合わせる」スタイルだと韓国のインタビューで語っていた。パフォーマーとしてだけではなく、自分の内にあるメッセージを伝えるクリエイターとしても日々前進しているのである。





