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彼女の苦しみを解放できたのは、犯罪という形でしかなかった
本作にはそうした林さんの思いを伝えなければならないという熱意が込められている。
「今の制度の中で、林さんの悲痛な訴えがないものにされてしまっている。それは非常に重要なテーマを孕んでいます。林さんが訴えていた内容、つまりは、もっと足元の彼女の苦しさだったり、ヘルパーの人手不足や労働環境、また耐え難い苦痛がありながらも緩和ケアなどに繋がることができない医療制度の問題などです。結局今の日本では、彼女の苦しみを解放できるものは犯罪という形でしかなかった。その現状はどうなんだっていう問いかけなんですよ、林さんの事件は」
映画の終盤、林さんが大久保医師に送ったメッセージが紹介される。林さんが遺した最後の一文のインパクトが胸を打つ。誰も自分の意志を受け止めてくれなかったという怨念がそこにはある。 ぜひ映画でご覧いただきたい。「死ねない人間の生き地獄」を味わわされた人間が、最期にこの世に遺した魂の叫びだ。
『京都ALS患者嘱託殺人事件』
監督:⼆村真弘/声の出演:田畑智子/2026年/日本/98分/配給:東風/©『京都ALS患者嘱託殺人事件』製作委員会/10月31日より[東京]ユーロスペース、[京都]京都シネマ、[大阪]第七藝術劇場にてロードショー、ほか全国順次公開

