歌舞伎町のはずれで始めたそば屋
原元店主は現在70歳。平成3(1991)年36歳の時、新宿の歌舞伎町のはずれで出前中心の小さなそば屋を始めたそうである。仕事は軌道に乗り大いに繁盛して忙しい日々を過ごしていた。しかし年齢を重ねたある日、製麺した生そばを入れた重い生舟(そばを保存する木製容器)を6つ持った時、圧迫骨折をしてしまう。手術などをするも治りきらず、芳しくない状態が続いてしまった。「もうこの仕事は無理かもしれない」と悔やんだという。
ところで原元店主には若くしてニューヨークに渡り料理人として成功した弟さんがいる。それで66歳になった時、体調を考慮し、人生の〆は息子さんと2人でニューヨークの弟さんの所に行って、自分はそば職人をやり、息子さんは寿司職人をやろうと決断した。令和4(2022)年に、歌舞伎町の店を後継者に譲って渡米した。ところが、持病の腰痛が悪化し、海外での生活に不安を感じ、仕方なく地元の横浜に帰還することになったわけである。
「自分は何もしないでぼーっとしていると、頭も体も退化してしまう。なんかやろうとカミさんに許しをもらって、そば屋をもう一度始めようということになった」という。
そこで、歌舞伎町時代に厨房にいたスタッフを呼び戻した。そして、当時、店の常連だった庄司宏通さんにも相談して、経営マネジメントの応援を要請。それで年配スタッフ達が集まっているのか。そして、今年の9月12日に「そば屋一力」をオープンさせたという訳である。
