『ドライブ・マイ・カー』で世界へ

 実際、そのとおりになったことは、2021年に三浦が出演した『ドライブ・マイ・カー』が米アカデミー賞国際長編映画賞をはじめ国内外で数々の賞に輝き、彼女自身も日本アカデミー賞の新人俳優賞など映画各賞の新人賞や助演女優賞を受賞したことからもあきらかだ。

『ドライブ・マイ・カー』では、主人公である俳優・演出家の家福(かふく)悠介(西島秀俊)の専属ドライバーとなる23歳の女性・渡利みさきを演じた。みさきは撮影当時の三浦と同い年、出身地も北海道という共通点があった。

米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)

運転免許なしでドライバー役に抜擢

 ただ、三浦は役に決まった時点で運転免許証を持っていなかった。そのため撮影前には濱口竜介監督から「運転練習だけしてくれればいい、それがみさきの役づくりだと思ってください」と言われたという。

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《運転というフィジカルなところで、みさきへのアプローチができたことはありがたかったです。実際、運転している時間から色んなことがわかりました。運転に必要な技術はもちろん、運転しているときに必要な頭の使い方、運転が上手な人は何に長けているんだろうと考えることも、演じる上でヒントになった気がします》(『ピクトアップ』2021年10月号)

『ドライブ・マイ・カー』では日本アカデミー賞、日本映画批評家大賞など数々の映画賞を受賞(映画公式X@drivemycar_mvより)

 劇中、運転しながら演技をする場面では車は基本的に牽引しながら撮影するので、三浦はすべて実際に運転していたわけではない。しかし、だからこそ運転が上手に見える所作を身につけなければいけなかった。濱口監督が「運転練習だけしてくれればいい」と言った意図も、そこにあったのだろう。