シェン・コシャン監督(以下、シェン) そうですね。そもそもこの映画は、台湾にある科学技術に関する基金が毎年、環境保護に関わるテーマのプロジェクトをやっていて、7年ほど前にそこから徐仁修さんに興味がありますか、と聞かれたのが始まりでした。

 私は徐さんの本を読んでいました――彼は小説も書くので、その小説も読んでいましたし、写真集も見ていました。とりあえず彼に会いに行くと、彼は自分がドキュメンタリーの対象として撮られるということには興味がなかった。彼はドキュメンタリーって本当に人にとって必要なの? とか、あなたたちは自然環境を撮るような人たちには見えないけれど、私たちの邪魔にならない? とか言いました(笑)。

シェン・コシャン監督 ©台湾映画上映会2026

 ところが2週間ぐらい経ったある日、徐さんから電話がかかってきて、今これからヤマネコを見に行くけれども、一緒に来るか? と。突然のことだったんですが、すぐに午後の予定をキャンセルしまして、その場所に向かいました。徐さんと一緒に山を廻りましたが、結局その日はヤマネコを見つけることはできませんでした。

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 その後、3、4カ月の間、彼から突然連絡が来ては、私は出かけて行きました。徐さんは連写でパシャパシャっと動物を撮っていくんですが、私の方はビデオカメラで、三脚をセットしたり色々手間がかかってなかなかスピーディに撮ることができなかった。それも彼と一緒に行動することでだんだんできるようになっていきました。

映画『荒野の夢』

 そんな最初の数カ月間は、動物のオス同士がするように、互いをちょっと観察しながら「こいつと一緒にやっていけるかな」と探っていった時期だったと思います。そのあと結局、私たちの探検は6年間も続きました。最初は台湾、その後世界各国へ、最後はアマゾンまで撮影しに行きました。