――そこから治療方針を変えたんですか。
小松 あと1年だけ頑張ろうと決めたんです。それまでと同じように病院を転々とするのではなく、当時の先端的な技術を調べようと。そこで、受精卵の染色体を調べる方法を知りました。
さらに45歳から46歳にかけては、できるだけ採卵することに集中したんです。卵を戻すと、その戻している期間は卵が取れないんですよ。なのでその1年は採卵して受精させ、染色体を調べて凍結を繰り返しました。
私は疑い深いので、検査の結果にかかわらず、できるだけ凍結してほしいとお願いしました。でも、1年間で何度か採卵して、凍結できた受精卵は4、5個ほど。そのうち、染色体検査で問題がないと判定されたのは、たった1個でした。
その1個を数年後に子宮の状態を整えてから戻したところ、49歳でやっと妊娠できたんです。私の場合は、あの時の自分の決断を信じてよかったと思っています。
妊娠に至るまでの試行錯誤
――子宮の状態を整えるというのは、どういうことですか。
小松 48歳くらいの時に、たまたま子宮のポリープについて書かれた記事を読んだんです。それで自分から検査を受けに行ったら、実際にポリープが見つかって。子宮内に炎症もあったので、治療してから受精卵を戻しました。
それ以前にも、着床しかけたのに妊娠が継続しなかった経験があって、後から考えると、その時もポリープが影響していたのかもしれないと思うんです。もちろん、はっきりしたことは分かりませんけど。
――その検査は、不妊治療の過程で医師から勧められなかったんですね。
小松 当時、私が通っていたところでは、卵の方を重視していました。自分で調べて検査を受けなければ、ポリープに気づけなかったかもしれません。しかも、病気が見つかる前に希望して受ける検査は自費で何万円もかかるのに、病気が見つかって治療後の確認として受ける検査は保険が使える。同じ検査なのに、負担がずいぶん違ったんです。
検査自体も大学病院を紹介されて、予約が2カ月先ということもありました。不妊治療をしている人にとって、2カ月は本当に大きい。費用が高いから検査を見送ったり、検査までに時間がかかったりして、せっかくのチャンスを逃す人がいたら、もったいないと思うんです。だから国には必要な検査をもっと受けやすくしてほしいと思います。
――妊活を考えるようになってから、食生活も変えたそうですね。
小松 30代後半の、結婚して不妊治療を考え始めた時から、肉やハムなどの加工食品をほとんど食べなくなりました。だからファストフードもたまにご褒美で好きなフライドポテトを食べるくらいです。
