2021年、49歳で第一子を出産した女優の小松みゆきさん。20代の頃は「グラビアクイーン」として人気を集め、数々の作品で“濡れ場”を演じてきた。現在は、その経験を生かし、俳優と監督の間に立ってインティマシーシーンを調整する仕事にも取り組んでいる。かつて撮影現場で感じた不安から、「役者魂」の名のもとに我慢を求められてきた俳優たちへの思い、新たな仕事にかける決意を聞いた。(全5回の5回目/最初から読む)

小松みゆきさん ©山元茂樹/文藝春秋

◆◆◆

インティマシーシーンに関わる仕事を始めた理由

――現在はインティマシーシーン、映画やドラマにおける濡れ場を調整するコーディネーターの仕事もされています。

ADVERTISEMENT

小松みゆきさん(以下、小松) これまでに3作品に関わりました。いずれも現在の所属事務所の社長が企画やプロデュースをしている作品でしたが、この冬には初めて外部から依頼された映画に参加する予定です。

 現在日本で活躍している「インティマシーコーディネーター」の方々はアメリカで資格を取っていると思うのですが、日本には公的な資格はまだないんです。なので現状は「インティマシーシーンをコーディネートする仕事をしています」と説明しています。

――アメリカで資格を取ったり、資格を取った方から学ぶことは考えなかったんですか。

小松 現実的にハリウッドでの資格は取得出来ないので、日本で行われている講習や試験について問い合わせもしました。でも、先に活動を始めた方々も現場の仕事で忙しく、なかなか連絡が取れなかったり、予定されていた試験がなくなったりして。

 そもそも日本にはインティマシーコーディネーターがまだ少ないんですよ。必要とされているのに、人を育てる体制が追いついていないのが現状なんじゃないでしょうか。映画は毎年たくさんつくられるのに、私が知る限り、専門的に活動している人はまだごく少数です。現場から求められても、対応できる人が足りないという話も聞きます。

©山元茂樹/文藝春秋

――そもそも、なぜインティマシーシーンに関わる仕事をしたいと思ったのでしょうか。

小松 それは私自身が濡れ場を演じてきたからです。インティマシーコーディネーターという仕事を知るずっと前から「誰か間に入ってくれる人がいたらいいのに」と思っていました。私はそうしたシーンを数多く経験してきましたが、撮影現場では十分に大切にされてないなと感じることが多かったんです。それでは濡れ場をやりたいという人は減りますし、せっかくいい作品をつくろうとしている人も萎縮してしまいます。