須田さんは亡くなられる年の10月に米国に療養に行かれた時もわざわざまつげにパーマをかけてから行ったんだそうです。入院している時も友人がお見舞いに来るとなれば、きちんとお化粧をしてから病室で待っている。こうしたことは女性としての身だしなみに非常に気を使っていた須田さんらしい一面です。またそれは、人から見られることの多い女子プロボウラーとしての心がけでもあったのかもしれません。
以前あるトーナメントでご一緒した時に、私が一見して田舎っぽいベージュ色のサポーターを膝に巻いていたことがありました。私は「サポーターなんだから暖かければいいや」と思い、色は全然気にしてなかったんですが、須田さんがそれを見て「そのサポーターおばさん臭いわね。もっと格好いいのにしたら」とアドバイスして下さるわけです。靴でも「ごっついね、その靴は」とか冗談めかした言い方をされる。決して嫌味ではなく、言われた私も思わず納得してしまうような、非常に女性らしい感性を持っていました。
プロ意識の固まり
そうして一度、打ち解けてしまうと、私なんかはトーナメントで一緒になれば、親しげに須田さんのところに話しかけにいく。そうすると、須田さんはピシャリとカーテンを引いてくる。何だか急に話しかけづらい雰囲気になっているんです。そこらへんが不思議な人なんですね。
須田さんは私に対してプレー以外でもライバルという意識があったんでしょう。それがプロというものなのだとあとからわかるのですが、女性らしさを見せる気さくな須田さんとプロ意識の固まりの須田さんの両面を見せられると、「どっちが須田さんなんだろう」とよくわからなくなってしまうこともありました。
※全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』に掲載されています(中山律子「須田開代子 療養で渡米する前、まつげにパーマをかける」)。
この他にも、「アスリート」の肉声記事を多数掲載。
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