放射線治療 午後から仕事も入れられる
──10月から放射線治療が始まり、毎日通院で治療されていますが、お仕事との両立はいかがですか?
矢方 放射線治療は毎日連続で行かないといけないと聞いて、負担が大きくて嫌だなあと最初は思ったんですけど、一回の治療時間がお会計も含めて20分くらいで終わるので、最初に考えていたよりも大変ではないです。抗がん剤の時のような副作用は今のところないので、午前中早めに治療を終えれば、午後から仕事を入れることもできますし、この間は東京まで仕事に行ってきました。
──がんになると、3割の方が仕事を辞めるというデータもありますが、矢方さんがお仕事をやめたり休んだりしなかった理由は?
矢方 もちろん仕事が好きだからというのもありますが、私の場合は、治療に専念している方がきっと苦痛だと思ったんです。仕事があるから治療もがんばれる。「この治療が終わったら明日仕事だからがんばろう」というふうに、モチベーションになっています。
「乳がんになったことも悪いことばかりじゃなかった」
──お仕事が矢方さんの原動力でもあるんですね。
矢方 がんと診断された時に、「もう仕事できないのかな」と落ち込んだ時期もあったので、今、こうして仕事が続けられる環境がすごく嬉しいです。抗がん剤治療中、事務所の方が治療スケジュールや体調を考慮して環境を整えてくれたことにも感謝ですが、病気になったからこそ声をかけていただけるイベントや講演会での仕事も増えたりして、乳がんになったことも悪いことばかりじゃなかったと少しは思えるようになりました。
──イベントや講演会など、これまでとは違ったお仕事も増えましたよね。
矢方 がんをテーマにした講演などのお仕事もいただくようになりました。圧倒的に女性が多いので、正直、最初は少し戸惑いました。アイドル時代は男性ファンが多かったので(笑)。しかも、私自身ではなく、私が体験した話を聞きに来てくださるので、みなさんの反応や表情から、どんな話を皆さんが知りたいと思っているか推測するなど、毎回すごく勉強になります。