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シーナ&ザ・ロケッツのシーナ役でテレビドラマ初主演

――テレビドラマ初主演をされた『You May Dream』ではまさにボーカル、シーナ&ザ・ロケッツのシーナ役を演じられましたよね。

石橋 鮎川(誠)さんのギターは聴いたことがあったし、もちろんシナロケというバンドの存在は知っていたんですが、曲をちゃんと聴いたことはなかったんです。シーナさん役が決まって、聴き込みました。

 

――北九州で出会った鮎川誠とシーナが結婚し、バンドとしてメジャーデビューするまでの物語でした。

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石橋 シーナさんのおよそ15年にわたる時間を演じましたけど、とにかくかわいい人だなあって思いました。まだ亡くなって3年しか経っていないので、演じるにあたってはもちろんプレッシャーもありました。あのパワー、ポジティブなカッコよさは私には真似できない、演じきれないって思ったほどでした。でも台本を読んだり、曲を聴いたり、昔の映像を観ているうちに「こんな素敵な人を演じられるなんて、ラッキーだな」って思えるようになって。撮影中は、なんか体温が上がったような、内側から熱くなるような不思議な体験をしました。

「好き」が純粋だと、色んなことを可能にできる

――石橋さんは演じる人の身体の形や動きを想像しながら演技に入るとおっしゃっていましたが、シーナ役にはどう入っていったんですか?

石橋 ステージでパフォーマンスしている映像を観ていると、目の力が強くて、とにかく堂々としているなって感じました。普段のシーナさんがどんな人だったのか想像するのは難しかったんですけど、ステージ上で見せる可愛らしさはきっと普段のシーナさんにもあったと思って、そういう動きを意識するようにはしました。何気なく腰のところに手を置いたり。

 

――「まこちゃんの横にいたい。まこちゃんの横で歌いたい」ってセリフがありましたけど、ああいうはっきりした愛情を演じるときってどういう思いなんですか?

石橋 自分がどう見られるか、ということは全然気にしていない状態が純粋に人を好きって思う状態なのかなって感じました。シーナさんは、音楽が好き、鮎川さんが好きって気持ちを純粋に持てた人だから、色んなことを可能にできたんだと思います。鮎川さんと一緒になることだって、東京でのメジャーデビューだって叶えてしまうエネルギーが「好き」に込められているというか。そこは感情の方が先にあって、動きが後についてくるっていう感じなのかな。楽しいから体が動く、そのワクワクする気持ちをうまく表現したいなと思っていました。

――鮎川さんからは直接、感想はありましたか?

石橋 いえ、いつもニコニコされている方なので「よかったよ」みたいな感じでは言ってくださったんですけど、それ以上は緊張しちゃって聞けませんでした(笑)。

 

――ちなみに石橋さんもギターを弾かれるとか。

石橋 いえいえ、もう大きな声では言えないような程度ですので。好きな曲のコードを爪弾くくらいのもので。

――大声じゃなくていいので、最近弾いた曲を覚えていたら教えてください。

石橋 (小声で)最近だと、andymoriさんの『16』っていう曲と、ジョニ・ミッチェルの『A Case Of You』をなんとか弾きました……。