テクノ法要のきっかけはPerfumeのライブだった
――もともと、音楽はお好きだったのですか。
朝倉 若い頃は音楽で食べていきたいと思っていたくらい好きです(笑)。アーティストで言うと、中学1年生の頃からずっと好きなのはYMO。あとはレイ・ハラカミさんやコーネリアスとしてソロ活動している小山田圭吾さんなども好きです。
――「テクノ法要」をはじめるにあたって、元から音楽がお好きだったことは大きく関係しているということでしょうか。
朝倉 ええ。直接のきっかけは、Perfumeのライブで「Dream Land」という曲のパフォーマンスを見たことです。「これ、意図して書いているのかな」というくらいに仏教的な歌詞の曲を、3人が羽衣をまとった天女様のような衣装でパフォーマンスしていて、「あっ、これは浄土だわ……」と思って。
そこから、「仏教をこんな形で表現できたらいいな」と考えて、「テクノ法要」を始めることにつながりましたね。
音楽と仏教の意外な共通点
――Perfumeもお聞きになるんですね。
朝倉 音楽に対しても偏見をなくそうと思っているんです。テクノだから好きなわけじゃないし、YMOの曲だからといって全部いいわけじゃないし。自分にとって「これはいい」という感覚を大事に、妄信しないように気をつけて、いろいろな音楽を聴くようにしているんですよ。
――でも、いろいろな音楽を聴き続けるって難しくないですか。人間はある年齢になると、ピタリと新しい音楽を聴かなくなる、という研究があるとも聞きます。
朝倉 いや、耳をフリーにしておくだけいいんですよ。街でも、テレビでも、ラジオからでも、あとは今はYouTubeからも、いろいろ流れてくるじゃないですか。そのときに、パッと「あっ、これいい曲だな」と思うだけでいいんです。
――やっぱり、流れてきても気づかない人が多いのでしょうか。
朝倉 そう、アンテナを張ってないと、いろいろなものが通り過ぎていくだけで、キャッチできないですよね。
仏教にもそういうところがあって、いろいろ流れていく中で、アンテナが1本あると、そのうちなにかが引っかかる。そうすると、「おもしろいな、いいこと言ってるな、もうちょっとアンテナ伸ばしてみようかな」となって、いつも通り過ぎているだけのものがひっかかってくるようになるんですよね。