著書に『40歳までにオシャレになりたい!』があるトミヤマユキコさん。これまでファッションに「おもしろ」ばかりを求めてきましたが、コンサバ服に挑戦したことで「新たな自意識が掘り起こされた」と話します。社会学者の鈴木涼美さんと「ファッションと自意識」についてとことん語り合う対談、後編です。

#1より続く)

左から、トミヤマユキコさん、鈴木涼美さん(この対談は今年8月に収録しました)

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白シャツを着こなすのが一番大変

鈴木 着こなすのに一番大変だったアイテムって何ですか?

トミヤマ やっぱり白シャツかな。

鈴木 それはつまんないから?

トミヤマ うん、つまんないし、どう着ても制服に見えちゃうの。白シャツ着ると海外から来た技能実習生みたいになるって岡田育さんが言うんだけど、わたしもそれ。

 

鈴木 私、白シャツよく着ますよ。

トミヤマ 涼美さんは新聞記者やってたから、着る機会も多かったでしょう。

鈴木 それもあるけど、前に青田典子が「いい女は白シャツ」って言ってたから(笑)。

トミヤマ 青田典子が言うなら間違いないな~。

鈴木 白シャツ自体はつまんなくても、髪とかアクセを派手にすればギャル系になるし、そのままで清楚系にもなれるし、超万能ですよ。

トミヤマ いまだとどういう時に白シャツ着ていきます?

鈴木 相手の好みがわかってなくて、でも気に入られたいときとか。初めて会う人がいたり、わかりやすいのはホストクラブの初回。

トミヤマ 私にはその機会がない(笑)。

鈴木 間違えると女教師AVっぽくなっちゃうけど、男ウケはいいと思います。なんかこう、男に引きちぎられそうな感じが(笑)。

 

トミヤマ 服を選ぶときに、男に引きちぎられるかどうかっていう観点はなかった……。

鈴木 高校時代に制服として白シャツ着てなかったんですか?

トミヤマ 着てましたよ。でも似合うと思ったことは一度もない。

鈴木 うちらギャルは死ぬほど制服好きだったから。

トミヤマ そこでだいぶ訓練を積んでるんだ。

鈴木 休日も制服で遊んでたし。