出雲駅伝、箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝が終わり、今シーズンの大学駅伝、残すはいよいよ箱根駅伝のみとなった。圧倒的な強さを誇る青山学院大学が、3冠&5連覇を果たすのかに注目が集まるなか、「見どころはそこじゃありません」と異を唱えるのが、駅伝大好き集団「EKIDEN News」主宰の西本武司氏だ。『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド! 2019』を上梓し、3つの大会を現地観戦した西本さんが、2019年正月の箱根駅伝で本当に注目すべきポイントを教えてくれた。

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「これは箱根も青学が勝つよな」

 これを言っちゃおしまいなので誰も言いませんが、先日の全日本大学駅伝、そのあとに行われた世田谷246ハーフマラソンの結果を見て「これは箱根も青学が勝つよな」ってコアな箱根ファンであればあるほど、誰もが心の奥底で思っているはずです。アップダウンが厳しく「仮想箱根」と呼ばれている世田谷246ハーフマラソンでは、全日本大学駅伝には出走しなかった2年生の岩見秀哉選手が箱根駅伝95回大会MVP林奎介(青学)が前年度同コースを走ってだした1時間3分28秒を大きく上回る、1時間3分13秒でゴール。

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 その他にも初ハーフマラソンの飯田貴之(1年)が1時間3分39秒で4位。他校にいけば主力として活躍できそうな新戦力がいまだに生まれ続けている青学。しかも、この日は気温も高く、ハーフマラソンを走るにはちょっと厳しいコンディション。もう、よっぽどの事故でも起こらない限り、青学が独走して復路はウイニングランになるんじゃないかというぐらい、力の差は歴然でした。順当に走れば青学。他大学は青学のミスをつくしかないという戦力状況。となると、単に勝った、負けただけで箱根を見るとつまらなくなる。じゃあ、どこに楽しみを求めればいいのか。

駒澤大学の「うちわ問題」に注目

 まずは駒澤大学の「うちわ問題」からお話ししましょう。今年の箱根駅伝予選会では、シード権を逃した名門、駒澤大学に注目が集まりました。駒澤大学の練習場所である砧公園で毎日ランニングをしている僕も、もちろん駒澤に注目していました。ところが今年の駒澤大学は明らかに違ったんです。変化の証、それが「うちわ」です。実は予選会で駒澤大学関係者にうちわが配られたんです。例えば青学は旗を、東洋大学は「東洋大学」と書かれた横断幕のようなものを配っているんですが、駒澤には今までそういう応援グッズがなかった。それが関係者限定とはいえ、今回ついにうちわが配られた。駒澤大学のマネージャーが見せてくれたのですが、そこにデザインされていたのが大八木弘明監督の写真と「男だろ!」の文字。

 ちなみに、この「男だろ!」は、大八木監督の名言として知られ、監督車から選手に檄を飛ばすときの代表的な言葉です。「あと1km! 前を追え! 男だろ!」のように使います。(他にも「白バイを抜け!」という迷言もありますが、これはまた別の機会に。)