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ふなっしーが教えてくれた「虚と実の狭間に宿るもの」
といいつつ、あれだけのインパクトを誇ったふなっしーが唯一無二の存在であることは疑いようもない。
ふなっしーの活躍以後は、“中の人”が誰でどんな人なのかを下世話にイジるような、かつてのテレビで好まれ、未だにしばしばみられるお約束のやり取りが退屈に思えてならない。“中の人”を特定しようとしてああだこうだ言うのではなく、一歩引いて、あくまでも“透け感”を楽しむという大人のたしなみを期せずして身につけてしまった感じ。
昨今、テレビ等でのヤラセを巡る報道を見ていると白黒はっきりつけたがる人が多いみたいだが、虚と実の狭間にこそ豊かな表現が宿ることをふなっしーは改めて教えてくれた。裏を返せば、ウソとホントを切り分けようとする世の中の息苦しさへの痛快なカウンターたり得ていたからこそ、多くの人たちにふなっしーが支持されたのかもしれない。
いずれにしても、あんなかわいらしい見た目のふざけたキャラクターのくせに、わたしを含むたくさんの人たちの着ぐるみ観を不可逆的にアップデートしてしまったのだから、ふなっしーはすごい。超すごいよ。