「いくつになっても漫才したい」
オードリーの若林正恭も太鼓判を押す漫才の実力から見てみよう。2015年の準々決勝進出以来、M-1GP常連の三四郎。「いくつになっても漫才したい」は十八番のネタである。
小宮 イクツニナッテモ漫才シテタイヨネ!
相田 胃潰瘍になっても漫才してたい、と。
小宮 どうしてそう聞こえるんだよッ! 絶望的な滑舌なんだ、察してくれよ!
小宮の滑舌の悪さからくる聞き違いが掴みである。
相田 滑舌悪くないよ。
小宮 あ、そう?
相田 メチャクチャいい。天龍源一郎くらい良いよ。
小宮 バチボコ悪いじゃねえかよ。あの人、ラリアットとアルコールで喉、オシャカにしてるんだから!
小宮は不当なほどにキレる。非常に、という意味の「バチボコ」なる馴染みの薄いフレーズが速射砲のように飛び出す。また、プロレスラー・天龍源一郎といったマニア受けする固有名詞を差し挟む小技も憎い。小宮がなんとしても「いくつになっても漫才がしたい」と相田に同意を求める。小宮が杖をついた老人の身振りを示すと、相方は「それ何?」と心なく問い、小宮は「杖ノヒョーゲン!」と叫ぶ。
相田 杖が証言?
小宮 証言はしない! なぜなら杖だから! 杖は話さない!
相田 え? 離さない?
小宮 話さない! くそったれー、幾つになっても! 与太者がァ、三四郎のメインは俺なんだから、サブは黙っとけ!
相田 僕、クスリやってねえよ。
小宮 ……シャブッて言ってねえよ、サ、ブ!
小宮は死に物狂いで説明を試み続ける。
小宮 黙って聞いとけ!
相田 たまったヒートテック?
小宮 だから、黙って聞いとけ!
相田 フフフ(嘲笑)。
小宮 笑うな! 鼻爆発して死ね! 鼻、爆発して、死ね!
相田 なんで2回言うんだよ?
小宮 大事なことを、ちゃんと伝えたいからだよ!