『お笑い芸人どっきり王座決定戦』(フジテレビ)のナイツや『Qさま!!』(テレビ朝日)でのバナナマンやタカアンドトシなど、お笑いコンビの「解散ドッキリ」には名作が多い。そんな中、『ロンドンハーツ』で行われたのは、三四郎の解散“逆”ドッキリ。三四郎といえば、いじられキャラの小宮浩信がバラエティに引っ張りだこのコンビ。一方、相方の相田周二は一部では小宮以上にヤバいヤツだと知られているが、一般的には「じゃない方芸人」的立場。ドッキリは、小宮が相田に解散を持ちかけるところから始まる。
三四郎はコンビ結成13年。中学からの同級生でその仲の良さはお笑いファンにはお馴染みだ。もちろん小宮自身もそこには絶対の自信があるのか、解散を告げても「一緒にやっていこうよ」という答えが返ってくるはずと予想していた。だが、これは逆ドッキリ。相田はすべてを知っており、あっさり解散を受け入れる。予想外の答えに「うん?」と仕掛け人の立場を忘れてあからさまに動揺する小宮が可笑しい。解散の方向で話が進む中、カメラが入ってきて相田に「ドッキリ」であることを告げると、仕掛け人にもかかわらず大きく安堵する小宮がひたすらチャーミングだ。
しかし逆ドッキリはここからが本番。小宮をそのまま連れ出した相田は改めて「この機会だから言うわけじゃないけど解散したい」と切り出すのだ。「なんでこんなことになったんだよ」「人生怖いよ」と天を仰ぐ小宮。相田が「俺じゃないといけない理由がわからない」と言えば、「お笑いのツボが一緒」「ラジオで学生時代の話とかもできる」「楽しくできる」「僕が持っていないコミュニケーション能力がある」「思いもかけないようなことをやる」など矢継ぎ早にいいところを言っていく。それでも自分は必要ないという相田に小宮は遮るように言う。
「あるよ! あるって言ってんじゃん! ある!」
ようやくネタバラシされると、「何が本当かわからない。すっごいストレスだった。視聴者が普通のドッキリで満足する時代は終わった?」と悪態をつきながら「でもちょっとホッとのほうが上回る。あー、良かった」とうなだれ、可愛げが爆発する小宮と、それをニヤニヤ見ている相田。それはあまりにも小宮で、あまりにも相田で、あまりにも三四郎な光景だった。解散ドッキリにはコンビのすべてがあらわれる。その愛おしさに、2人を好きにならずにはいられない。
▼『金曜☆ロンドンハーツ』
テレビ朝日系 金 21:00〜21:54
https://www.tv-asahi.co.jp/londonhearts/