「金食い虫」だった島々を「金のなる木」に
しかし、五輪と同様、万博は6カ月程度のイベントにすぎない。この第2万博ともいえる万博会場の跡地を今度はどのように活用していくべきなのだろうか。
IRも万博もその存在や運営に批判が多い施設である。だがこの際、思い切って「何が悪いねん」と開き直ってみてはいかがだろう。もともと大阪は商都。儲けることにかけてはピカイチの才能がある。ところがこの夢洲をはじめとする島々はこれまでは完全な「金食い虫」で市民の評判もよろしくなかった。
だが、IRの中に併設されるカジノはいわば「金のなる木」だ。ここに8000人収容規模の国際会議場を作り、世界中のVIPを呼ぶ。会議場の運営費はカジノでの収益を充当すればよい。アジアで8000人以上を収容できる会議場はシンガポールの3カ所しか存在しない。日本では5000人収容の会場は東京国際フォーラムとパシフィコ横浜のみ。大型の国際会議の開催ではシンガポールの独壇場状態が続いている。どうせなら東京での需要も含めてアジアでの国際会議需要を全部奪うくらいの計画でもよいのではないか。
「日本のモナコ」を狙ってもよいかもしれない
せっかくIRとして整備するのだから隣接する万博会場の跡地には、現在説明されているような先端技術研究拠点の整備などはやらなくてもよい。そういう施設を作りたい自治体は他に山ほどあるだろう。ここでは世界中のセレブリティが満足する5 スターホテルを呼ぶ。映画館、美術館、デユーティーフリーショップ、エンターテイメント施設を整備する。F1レースが開催できるサーキット場を設けてもよいだろう。水深15mの岸壁を持つ港を活かして超大型の外国船籍クルーザーを接岸させよう。ヨットハーバーを再整備して高級ヨットやクルーザーで大阪湾ディナークルーズをやろう。
コテコテの大阪人からみればちょっと高級すぎかもしれないがそこは商売だ。儲かってなんぼ。大阪流の儲かるモデルを作ればよい。
大阪にはすでに年間1100万人を超えるインバウンド(訪日外国人)がやってくる。2011年にはその数わずか157万人。6年間で7倍に増えた。コスモポリタン化する大阪。これは流れに乗ってカジノでも何でも呼び込んで「日本のモナコ」を狙ってもよいかもしれない。
やっちゃえ、大阪。万博万歳だ!