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いまや「寂しい」印象を受ける会場跡地も

 75年に開催された沖縄海洋博は沖縄県国頭郡本部町で開催されたが、会場は陸上部分が約75ha、海上部分が約25haだった。この跡地には79年に万博施設のひとつだった海洋生物園を建替えて水族館を建設し、周囲を海洋博公園として整備した。この水族館は2002年に新館がオープン、沖縄美ら海水族館と名称を変え、水量7500立方メートルの「黒潮の海」と呼ばれる大水槽をはじめ77の水槽を持つ、沖縄観光の目玉施設となっている。

沖縄美ら海水族館 ©文藝春秋

 85年に開催されたつくば科学万博は面積102haに及ぶ会場だったが、跡地はメイン会場部分が筑波西部工業団地に姿を変え、パビリオンのあった敷地の一部が科学万博公園として、また第2会場だった吾妻地区につくばエキスポセンターが残るのみで当時を偲ばせる施設も少なく、やや寂しい印象を受ける。

 2005年に開催された愛知万博は愛知県長久手市を中心に約173haの土地が舞台だった。跡地については愛・地球博公園として整備され、「モリコロパーク」の愛称で市民に親しまれている。この地にはさらに2022年にはジブリパークがオープンを予定している。

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大阪万博会場になる「夢洲」とは?

 さて今回2度目の開催が予定される大阪万博の会場は「夢洲(ゆめしま)」だという。大阪に何度か行ったことのある人でも夢洲と聞いてピンとくる人は少ないだろう。まず地理的な位置を確認してみよう。

 夢洲は大阪市此花区にある、大阪湾に浮かぶ人工島である。大阪港は北港と南港があるが、この港の入り口部分に、北から順に「舞洲(まいしま)」「夢洲」そして「咲洲(さきしま)」というドキュンな名称の3つの人工島がある。このうち舞洲は北港のヨットハーバーのある地区と、USJのある桜島とそれぞれ橋でつながっている。また咲洲は南港にあって天保山公園や観覧車、海遊館などのレジャー施設がある大阪港地区と地下鉄中央線や阪神高速道路などでつながっている。また夢洲と咲洲の間には夢咲トンネルが整備されている。

「夢洲」は左奥が万博会場、右はIR候補地(大阪府咲洲庁舎から撮影) ©時事通信社

 それぞれの島の現状はといえば、舞洲には物流施設と「おおきにアリーナ舞洲」「舞洲スポーツアイランド」などのスポーツ関連施設や公園が整備されている。また咲洲はWTC(ワールドトレードセンター)と呼ばれたオフィスビルや高層マンションなどが建設されている。いっぽう夢洲には島の南岸には水深15mの岸壁が整備され高規格コンテナターミナルが3基設置され、周囲に物流倉庫が立ち並ぶロジスティクスセンターになっている以外、目立ったものはなく全く未開の地と言ってよい状態だ。