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バティスタ、メヒア……ドミニカ選手を変えたカープ・朝山東洋コーチのアドバイス

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/07/05
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再び二軍で調子を取り戻せるか

 バティスタは、近頃、様々な日本語を覚えている。「イイネ」「ソノカンジ」「ソウソウ」。聞けば、指導の中で朝山が発した言葉が耳に残ったもののようである。

 日本人のスペイン語。ドミニカ人の日本語。この往来が、選手とコーチの絆を象徴している。シーズン中、バティスタは朝山に電話をすることがあるという。「朝山さん、アリガトウ」。一軍の活躍の後には、こう伝えたこともあったという。

 ただ、プロ野球の世界は厳しい。シーズン序盤から中軸の活躍をしてきたバティスタだったが、交流戦18試合で打率.215と調子を落とし、今月3日に一軍登録を抹消された。

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 一方で、メヒアだ。昨シーズンのファーム4冠王は、二軍スタートながらも状態を上げ、6月25日に一軍昇格、交流戦明けの3試合で10打数5安打、一軍サバイバルレースに勝ち残った。「もともとスイングは悪くない。むしろ、考え方で、コースや球種を考えて狙いを持つことでボール球を振るケースが減ってきた」(朝山コーチ)と好調を分析する。

 理論と人間性を兼ね備えた「カベサ・グランデ(頭の大きい人)」は、今度は、バティスタへ最適な処方箋を与えるはずだ。そして、チーム内競争は、よりハイレベルなものになっていく。これも、カープ3連覇の要因のひとつと言えるだろう。

 蛇足だが、「カベサ・グランデ」の帽子のサイズは、60センチである。こういうところを飾らず明かす人柄に、新時代の名伯楽を感じた。

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