熱き9月。セプテンバー・ヒートが始まった。千葉ロッテマリーンズは奇跡的な快進撃が必要ではあるものの、リーグ優勝の可能性を十分に残している。なによりも福岡ソフトバンクホークスに15勝6敗で、13年以来、6年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。ホークスはマリーンズを苦手としているのは開幕前にすでにこちらのコラムで書いた通り。それが現実となっているのは書いた方としては非常に誇らしい。
さらにはチーム本塁打が9月2日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で145本となり、これは千葉移転後、最多タイとなった(こちらも今年は打線が凄い事になると書いた)。これらの数字に、なにかとんでもないことが起こりそうな予感がプンプン漂うのだ。
最高の状態でシーズンに突入したものの…
ただ、現状に満足かといえば、NO! 逆に不服である。もっともっと勝っていてもおかしくはなかった。なぜならばマリーンズが胸躍るような最高の状態でシーズンに突入した中で、他球団が予想以上に戦闘態勢が整わずにここまで来たからだ。
ホークスはご存知の通りのケガ人のオンパレード。リハビリ組だけでマリーンズ選手の総年俸を超えているような状態。ボロボロのまま、シーズン終盤に至った。ライオンズはエース菊池と打線の軸である浅村が抜けた状態。シーズン当初は毎日が投壊状態。そして毎日、平井が投げ、世の中の同情を誘っていた。イーグルスは開幕早々に自慢の2枚看板、則本、岸が戦線を離脱し、いったいどうやって長いシーズンを戦うのだと放心状態。ファイターズも昨年二ケタ勝利を挙げた上沢、マルティネスが離脱し、レアードも移籍した中での戦いを強いられた。8月には6勝20敗と泥沼。バファローズもエースの金子と西が消え、中島も移籍した中で助っ人以外は大きな補強もなく、挙句、補強した助っ人はシーズン途中で契約解除にて退団。チームスローガン「Be Aggressive #超攻撃型」が痛々しい状態が続いた。
一方でマリーンズはというと、レアードが加入し、戦闘態勢は十分。イーグルスとの開幕戦では、そのレアードがいきなりの逆転弾で5―4の勝利。これで私の予想通り、イッキに首位を突っ走るのだと思われた。ところがどうだ。開幕勝利からまさかの5連敗。投壊危機のライオンズに3連敗。特にサッカー選手と同姓同名の本田圭佑にはここから結果的に4戦4敗という荒業を演じられた。スタートダッシュをするだろうと予想された3・4月は11勝13敗1分け。5月も4連勝をするなど勢いに乗るかと思われた中で月末に札幌で3連敗を食らい、12勝13敗。今季、札幌では1勝8敗と散々な北の大地となってしまった。
得意の交流戦が始まった6月こそ大幅な勝ち越しが期待されたが、大好きな交流戦でいきなりの4カード連続の負け越しで出鼻をくじかれ、8勝10敗で終了し、毎年恒例の交流戦挑発ポスターに起用されたCGロボット「非交流戦士マジワラン」がなぜか叩かれる対象となっていた。6月は月間では11勝10敗1分けとなんとか初めての月間勝ち越しを記録したものの、そんなこともあってなんだか消化不良の1カ月となってしまった。2カ月連続の勝ち越しを狙った7月は11勝12敗の負け越しで再び勢いに乗れず。そして勝負の8月とマリーンズが開幕から位置づけ「8月にチームがピークになるようにもっていく」と言われていた勝負の月へ大きな期待が集まる中、ホークス戦は5勝1敗、ファイターズ戦3勝0敗。これはいけると誰もが思った中、まさかのホームでライオンズに3連敗。さらにバファローズにはこの月だけだと1勝5敗。結局は14勝13敗1分けでなんとか1つだけ勝ち越したというのが正直な感想だ。