文春オンライン

あの夏の日の興奮……私、釈由美子はなぜベイスターズにどハマりしたのか

文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019

2019/10/12
note

「ヤスアキジャンプ」について語らないわけにはまいりません

 そしてなんと言っても特筆すべきはリリーフピッチャー山﨑康晃の登板を迎えるあのシーン。球場全体を巻き込む大合唱「ヤスアキジャンプ」の異次元性について語らないわけにはまいりません。

 8回裏の攻撃が終わり最終回に入るときにチームが勝っていれば、観客はソワソワ。「康晃か」「康晃だろ」「ヤスアキ!」「ヤシュアキ~(※うちの息子です)」スタンドに舞い始める青色のタオルは一様に山崎康晃と謳い、スタジアムは一面のベイスターズブルーに。

 そしてラミレス監督は不動の抑え投手、その男の名を告げる。

ADVERTISEMENT

 投手交代のアナウンスが流れる前に、勝利の接近を知らせるあのテクノ音楽が突如鳴り出せば、グルーヴが球場全体を包み込み観客は総立ち! そして全員がジャンプして吼えるのです。まるで異世界! こんな光景はなかなか見られません。

 それはニュージランドのラグビーチームが試合前に行うハカにも似た、士気を奮い立たせる儀式のよう。相手チームも大歓声に圧倒されているはず。ボルテージは最高潮。颯爽とリリーフカーに乗ってやってくるヤスアキの表情は闘志に漲っているように見えます。場内が揺れるほどのコールと一体感。小さな息子も大喜びで「ヤースーアーキー!」と絶叫し場内のエネルギーと混ざり合っています。

「ヤースーアーキー!」 ©釈由美子

最後3つのアウトを取る“星の守護神”

 意外と緊張しやすい性格の私はいつも仕事前に心を整えるために音楽を聴くのですが、これからテンション低めの日にはヤスアキの入場曲に変えて気持ちを鼓舞してみようと思います(笑)。

 勝利への期待を一身に背負い、最後3つのアウトを取る仕事それ一つのためにやってくる星の守護神。

 緊張と興奮の中、奪い取るアウトを数えていきます。

 アウトひとつ取ったところでジェット風船にプーっ!と空気を入れ始めるのが勝利のルーティーン。そしてキチッと抑えた力投の後は、熱狂の中に「勇者の遺伝子」で勝鬨を上げるのです。

 横浜ベイスターズは私のベストチーム。

 星を背負った選手達、ラミレス監督も大好き。

 球団創設70年の今年、令和初の日本シリーズに進出することはできませんでしたが、来シーズンこそはリーグ優勝して本拠地横浜に勝利の花火が上がることを期待しています。

 足掛け3年ベイスターズ一筋。来季もまた球団オリジナルのクラフトビール片手にハマスタで応援します。

 Go Beyond the Limit.

 横浜ベイスターズに幸あれ!

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/14432 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

あの夏の日の興奮……私、釈由美子はなぜベイスターズにどハマりしたのか

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!