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――割合が決まってるんですか。

福原 そうです。その30%の海外作品の中で、ハリウッドの映画とかに混ざって日本のアニメを流すんです。例えば日本の作品でA~Cランクの作品があって、Aだったら1000万、Bなら500万、Cなら100万円で買ってくれるとします。でもCの作品を100万円で買ったとしても、例えばビリビリからすれば日本のアニメを流すために中国のコンテンツをあと2本流さないといけない。日本のアニメの値段だけじゃなくて、中国のコンテンツのコストも乗っかってくるんですよね。だったらもうAランクのタイトルだけ買えばいいや、ということになるんです。

――海外コンテンツを流すたびに、中国産コンテンツ2本を同時配信しないといけないのはキツいですね……。

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福原 あとは事前検閲もあって、検閲のために3ヶ月前に納品しろって言われるんですよ。日本のアニメスタジオって大体放送1週間前に納品するのが普通なんで、そんなタイミングでは作り終わってないんですよね。表現がまずかったら内容を変えなきゃいけないし、買い付けの金額も下がってるしで、雑に言うと中国に向かってものを作るのが割に合わなくなっちゃった感じです。少し前みたいな、中国が大金で日本のアニメを買い付けてスタジオも買って……という状況からは変化していますね。

――では、日本が中国向けにアニメを作ったりビジネスをする利点は薄れているのでしょうか。

福原 今言ったようなガバメントリスクとかもあるんですけど、その上で欧米の市場と比べると、中国は同じアジア人だけあって感性が近いんですよね。僕らが面白いと思うものを面白がってくれるし、ローカライズがそれほど必要ないのはありがたいところです。国民性でいうと、やっぱりアメリカよりは中国のほうが近いので、そこは利点ですね。

「中国のビジネスの仕方って100か0かなんです」

――福原さんは現在中国にもスタジオを作って作品作りをしていますが、実際に現地で仕事をしてみて日中の差を感じることってありますか?

福原 向こうのスタジオを仕切ってくれてる人はずっと中国で暮らしてる人なんですけど、その人が日本人のビジネスの仕方って堅実だけどとにかくスピードが遅いって言うんですよ。中国のビジネスの仕方って100か0かなんです。めっちゃバットを長く持ってるんですね。僕らがビジネスしようと思うと、バットを短く持ってどんな球が来るかをよく見て、塁を進めるにもバントとかで手堅く行く感じじゃないですか。でも中国の人はフルスイングでいって、負けたら次の仕事をしようぜっていう感じ。