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――なるほど。そのように制作を進める中で、「これはいけるぞ」と感じた瞬間はどこだったんでしょうか?

小島 それは最初から思ってますけどね(笑)。まぁ、企画の段階ではイメージが頭の中にあるだけなんで、実際に動かして面白いかどうかですよね。自分の計画していたものができているかどうか。ここが一番最初の判断なんですよ。で、そのあとに、他の人がどう思うかというのをモニターしたりして。僕はマーケティング主導で作ってるわけじゃないんです。ハリウッドみたいに、今売れてるものがあって、それとこれを足して、有名俳優を呼んできてって、そんなことをしていたら、作家性も何もなくなってしまうんで。

 

コジマプロダクションは「エンタープライズ号」だ

――今回、『デススト』には非常に多彩な方たちが出演していますよね。なかでも、ノーマン・リーダスさんはアメリカ出身、レフン監督とマッツ・ミケルセンさんはデンマーク出身。レア・セドゥさんはフランスで、デル・トロ監督はメキシコで……という、このように様々なルーツを持つ方たちをキャスティングしたというのは、何か狙いがあったんでしょうか?

小島 それは結果的なもので、そこにメッセージや意図があるわけではないんです。好きな人というか、一緒にやりたかった人に出てもらったというだけなので。それはうちのスタッフもそうです。国籍や性別は関係ないです。僕はこのスタジオを「エンタープライズ号(※『スタートレック』に登場する宇宙船)」って呼んでいて。そこの通路は宇宙船の入り口になってるんです。

――コジマプロダクションの入口にある、真っ白な“ゲート”ですね。

 

小島 僕にとってのエンタープライズ号というのは、最初の、ウィリアム・シャトナーやレナード・ニモイが出ていた『宇宙大作戦』のときのもので。当時はすごいマイノリティ差別があったのに、あの宇宙船にはアジア人のカトーもいるし、黒人のウフーラもいて。さらにはスポックという宇宙人まで乗っていました。僕の狙いはそこなんです。やっぱり21世紀はそういう社会になると思ってるんです。でも、なかなか……壁を作ってる人もいるんで。ただ、僕の下地はそういうところにありますし、ものづくりもどこかに偏るつもりはないです。

 そうやって作った作品を、気に入らない人は気に入らないでいいと思うんですよ。それでも、好きになってくれる人の印象に残るものにはしたい。ただ消費されるだけだったら作る意味はないので。僕も4年間、命削って作ってきたんでね。

撮影=深野未季/文藝春秋

#2に続く

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