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オバケが大嫌いな若きエース候補・種市篤暉が語った「恐怖体験」

文春野球コラム Cリーグ2020

2020/05/25
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「夜になると頭によぎって寝れない」

「映画館でホラー映画を見るなんて体験、本当に初めてでした。不幸中の幸いはシートを後ろの端の方に設定していたこと。最初は前列を考えていたのですが、考えを改めて良かったです。凄い大画面だったので、あの迫力でホラーを見ていたら失神をしています。それにビックリしているところを周りに見られるのも嫌ですし……」

 思い出すだけで恐怖が蘇るようだ。種市はオドオドしながら当時を振り返る。最初は我慢をして見てみたが、開始10分が経ったか経たないうちに全身に震えを感じた。それはもう永遠に続く時間に感じるほどの恐怖だった。

「前半は恐怖の連続で、怖そうな場面になったら手で目を覆っていました。後半はまあ、なんとか見れました。でもその恐怖体験は頭に残りました。夜になると頭によぎって寝れない。なにか後ろに人がいるような気配を感じて、ふと後ろを見てしまう日々でした。もちろん誰もいません。ちょっとした音が鳴っただけでも、ビクッとしました。今はもうさすがに後遺症はありませんが、たまにまだ怖くなります」

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 ネタバレになるので細かい映画の内容に関してはここでは割愛する。種市曰く「とにかく前半は怖い」。

 ちなみに誘った藤原の反応はどうだったのだろうか?

「こんな怖い映画を藤原はどんな風に見ているのかと気になって隣の席を見たら、藤原もビックリしていたので少しホッとしました。しかし、なんでわざわざ自らお金を払ってまで怖い想いをしないといけないのかは未だ理解できません」と種市。

 パ・リーグにはお化けフォークを投げるホークスの千賀滉大投手がいる。その男に種市は自ら志願をして昨年の自主トレから弟子入り。一緒に練習をする中で千賀はこの若者のボールを「とにかく凄い」と絶賛している。そう。種市もまた空振り率の非常に高いお化けフォークと切れ味抜群のストレートの持ち主なのだ。お化けが大嫌いな男は打者にとっては化け物のような存在としてマウンドに君臨する。まだ始まっていない2020年のシーズン。普段は怖がりでシャイな男が見せる圧巻の投球にぜひ注目をして欲しい。

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