どうしても、昔のシティポップの方が音がいい
――制作で苦労したエピソードがあれば、教えてください。
パク シティポップと括られる時代の音楽は、ミュージシャンがスタジオへ集合して録音したケースが多かったと思います。我々も極力そこに近づけようと試みたのですが、K-POPを作る方式と違ってすごく苦労しました。
各スタジオで演奏した生音を集めて作りましたが、“らしく”ならないんです。どうしても、昔のシティポップの方が断然音がいい。次のYUKIKAのアルバムは極力日本へ行き、日本のスタジオミュージシャンと録りたいですね。
――作曲には、SHINeeやRed Velvetなど大人気K-POPチームの楽曲を多く手掛ける、音楽家チーム「MonoTree(モノツリー)」のメンバーがたくさん参加されていますね。
パク MonoTreeの代表で作曲家のファン・ヒョンさんと個人的に親交がありまして。ファン代表はMonoTreeを設立する前に、KARA等の楽曲などで有名な音楽家チーム「Sweetune(スウィッチューン)」で活躍されていました。Sweetune出身の方は日本音楽を好きな方が多く、K-POPの日本語楽曲にもよく参加しているので、話がすごく通じるんです。
そうした経緯もありYUKIKAがソロデビューする前、MonoTreeの元へボーカルレッスンに出したんですよ。彼女の作品に参加したいという作家たちが集まってきて、今回のアルバムにも沢山参加してくれています。
「英国でiTunesの1位になっている」と聞いて理解できなかった
――アイドルとは違った立ち位置で、しかもデビュー2年目の新人であるYUKIKAさんのアルバム『SOUL LADY』が、海外チャートで首位を取ることは、かなり異例と思われます。これまでも、海外からの反応は届いていましたか?
パク 今回のアルバムリリース翌日に、英国でiTunesの1位になっていると連絡が来たとき……、最初は理解できませんでした(笑)。
デビュー曲「NEON」をリリースした昨年2月のときは、MVを発表して1週間後、急にYouTubeの再生数が上がったんです。どうも海外で有名なシティポップのコミュニティにピックアップされたらしく、100万再生を超え、英語のコメントも増えて。その時から海外でYUKIKAを支持する人が増えていったようです。
――韓国以外では、どんな国からのアクセスが多いですか?
パク 一番多いのがアメリカ、次に日本、続いてフィリピン、ブラジル、アルゼンチン辺りが高いです。全体の5割強が外国、残りが韓国です。