「帰る道すがらのコンビニの前に…」
幸せそうに語るAさんとは対照的に「ZOZOマリン、行けばよかったです」と語ったのは、Bさんだ。
そのBさん、様々なスポーツがこよなく好きで、とりわけロッテとサッカーへの愛情が深い……そう、冒頭に書いた「どっちの生観戦に行こうか問題」に直面した当事者だったのである。
普段の日曜日なら迷いなくロッテ戦一択のはずだが、この日はJ1日曜日開催。「究極迷った」末に後者を選んだのだが、大変なことが起こっていることに気づいたのはハーフタイム中のこと。その後は気もそぞろになってしまったのだという。
「味スタの試合も内容的に面白かったんですよ……だけど、そんなことが同時進行で起きているとなれば、120%の集中力で見られないことに気づかされました(苦笑)」
うん、テレビで見ていたので痛いほどわかります。サッカーは16時で試合終了したからZOZOマリンの試合は続いていたけど、どうしてました?
「帰る道すがらのコンビニの前に、座れるスペースがあったんです。そこでひっそりとスマホ片手に、佐々木君の歴史的瞬間を見守りました」
おお、もう……。
ちなみにだが、ロッテの中継を配信しているDAZNでは、今回の試合が「プロ野球歴代最高の視聴数」をマークしたらしい。プレスリリースにあったトップ10表を見ると――巨人や阪神が上位に名を連ねる中、燦然と今回の「ロッテvsオリックス」の文字が輝いている。これだけで誇りに思うし……競技の枠を超えて多くの人が関心を持ったのだなと実感する(Bさんのように無念の気持ちを抱えて視聴した人も結構いたはず)。
こんな感じで野球ファンの明暗をダイレクトに感じ取ったわけだが、《嬉しそうに語るファンの象徴的な声》として聞いてほしいのは、11日深夜に放送された「伊集院光 深夜の馬鹿力」。野球好きで知られる伊集院さんがパーフェクトゲームを生観戦したそうで、その興奮を1時間強は語り尽くしていたのだ。
文字起こしサイトとかみたいになっちゃうのは良くないので詳細は書かない。ただぜひタイムフリーで聞いてみてほしい。その話術は野球ファンなら「面白い」「臨場感あるなー」と追体験できるはずです、はい。
観客の制限解除となった今も、競技を問わず超満員の観客というところまではなかなか至らないとは聞く。ただ「佐々木朗希の105球」を契機に野球場、その中でも特にZOZOマリンが満員の観客に包まれてほしいなあと心から願っている。
なおローテーションで佐々木朗希の次戦先発日であろう17日、仕事で東北行くんだった……今季中に観に行きたいな……。
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